大谷本廟での納骨について

大谷本廟での納骨について お寺

葬儀の事前相談や打合せで納骨する場所を確認すると、「大谷さんに納める」と返答されることがあります。
「大谷さん」は西大谷と東大谷で2か所ありますが、どちらに納めるのか把握していない方もいらっしゃいます。
それぞれ正式名称は「大谷本廟」と「大谷祖廟」で、宗派と納骨の方法が異なります。
今回は西大谷である大谷本廟での納骨について案内します。
東大谷での納骨については大谷祖廟での納骨についてで解説しています。

お墓の後継者のいない方、墓じまいを検討されている方にも参考していて頂ければ幸いです。

大谷本廟とは

大谷本廟の住所は「京都市東山区五条橋東6丁目514」です。

大谷本廟の「廟(びょう)」とは、Wikipediaによると

1.宗教施設として、
  1.死者を祀る宗教施設。特に各親族集団において祖先を祀るものをいう(仏壇など)。霊廟。祖廟。この項で記述する。
  2.1から転じて墳墓のこと。特に建造物が伴う墳墓をいうことがある。
  3.1から転じて神仏を祀る宗教施設。神殿。寺院。
2.王宮の前殿で、政治を執り行う所。

Wiki/廟 の項目より抜粋

大谷本廟とは浄土真宗の宗祖親鸞聖人の墓所です。
「大谷」とは、親鸞聖人の遺骨を納めた鳥辺山北辺の地名になります。
大谷本廟の前身となる建物は、1295(永仁3)年に親鸞聖人の末娘・覚信尼公によって建てられました。
当時の建物は「大谷影堂」と呼ばれ、のちに「大谷本願寺」となります。
現在の場所には1603年(慶長8年)に移りました。
大谷本廟と改名されたのは1639(寛永16)年です。

現在は、浄土真宗本願寺派の本山である龍谷山本願寺(西本願寺)の飛地境内です。
親鸞聖人のお墓だけでなく、浄土真宗本願寺派の門信徒のための納骨所でもあります。

駐車場は南側の国道1号の側道沿いに30台程度のスペースがあります。
本廟を利用される方の駐車場なので、利用時間は限られているので注意が必要です。
お彼岸・お盆時期等は駐車場は閉鎖されます。

駐車場の入口の様子

駐車場が閉鎖される時期はホームページに記載されているので、確認してから訪問することをオススメします。
大谷本廟ホームページ>駐車場・閉鎖期間

公共交通機関では、最寄り駅は京阪本線の清水五条駅(きよみずごじょう)です。
JRや阪急電鉄の利用する方は、バスがオススメです。
市バス・京阪バスの「五条坂」で降りれば徒歩1分です。

大谷本廟の納骨

大谷本廟の納骨方法は3種類あります。
全ての手続きは、本廟会館の1階にある総合受付で行います。
本廟会館の建物は正面から入ると右側にあります。

本廟会館の外観

祖檀納骨

祖檀納骨は合祀型になります。
年間12,000件の利用があるそうです。
後継者のいない方にオススメの方法です。
遺骨を納める容器(骨壺)の大きさに制限はなく、墓じまいなどで改葬した遺骨でも納骨できます。

小豆小僧
小豆小僧

合祀型とは遺骨を骨壺から出して、多くの方の遺骨と同じ場所に納める納骨方法です。
そのために納めた遺骨を戻してもらうことはできません

受付時間は毎日9時から午後3時までです。
事前の予約はできませんので、土日など混雑が予想される際には時間に余裕をもって行動しましょう。
個人的に最も興味ある方法なので、詳細に解説します。

必要な書類と費用

条件によって用意する書類は異なります。

  • 遺骨の一部を納める場合:納骨届
  • 遺骨の全てを納める場合:納骨届と火葬許可証の原本(コピー不可)
  • 墓じまいや改葬した遺骨:納骨届と改葬許可証の原本(コピー不可)

墓じまいや改葬を検討している方は、実績のある専門業者に相談しましょう。

上記の書類以外に、遺骨を納めた容器と数珠も忘れずに持参しましょう。

納骨届の書類

納骨届は、浄土真宗本願寺派の寺院から入手します。
もしくは、大谷本廟のホームページからダウンロードすることもできます。
大谷本廟ホームページ>納骨・出骨・読経>納骨をしたい>祖檀納骨>申込書
左下の「所属寺院証明欄」に浄土真宗本願寺派の僧侶の署名が必要です。

小型容器の規格画像

祖檀納骨の費用(大谷本廟では納骨懇志と呼びます)は以下の通りです。
小型容器(本骨壺・2.3寸)は3万円以上
大型容器(小型容器以外)は5万円以上
改葬した遺骨は全て大型容器としての扱いになります。

3万円以上納めると永代経をいただけます。
永代経については大谷本廟ホームページ>納骨・出骨・読経>読経についてをご確認ください。

祖檀納骨の流れ

受付の発券機

総合受付を入ると発券所があるので、左上の「納骨のお申し込み」を押します。
発券所の後ろに待機所と、総合受付があります。
土日、祝祭日は混みあうようです。

総合受付の様子
法要会場の看板

順番になると遺骨を納めた容器・必要書類・納骨懇志を持って総合受付に行きます。
受付で容器の大きさを確認が済むと、容器に故人様の名前を記入します。
手続きが済んだら、「ご案内用紙」を渡されて納骨法要の時間を案内されます。

遺骨を納めた容器と「ご案内用紙」を持って案内された時間までに法要会場に移動します。
ホームページでは本廟会館の2階で納骨法要を営むと記載されていましたが、訪問日は会場が異なっていました。
場所が異なっていても、丁寧に案内されるので迷うことはありません。

法要会場の入口で「ご案内用紙」を渡します。
時間ごとに参列された方での合同法要になります。

明著堂で奥に祖檀が見えます
明著堂の奥に祖檀が見えます。

納骨法要が済むと、遺骨を持って明著堂まで移動します。
明著堂は親鸞聖人の墓所である祖檀の前にあります。
明著堂にいる僧侶に遺骨を預けます。
遺骨は僧侶によって奥の祖檀に納骨されます。
自身で納骨をすることはできません
納骨が済んだら、合掌・礼拝をします。

以降は、明著堂でお参りをします。
明著堂では毎日5時30分から午後5時まで参拝できます

明著堂の外観

無量寿堂納骨

第二無量寿堂の5階入口
第二無量寿堂は地上7階建ての納骨所です。入口は5階と6階にあります。
無量寿堂にある区画募集の看板
新小型区画・中型区画ともに100万円~
空いている場所は限られているので、現地もしくは第二無量寿堂の受付で確認をしましょう。

無量寿堂は屋内の納骨堂です。
無量寿堂は「第一」と「第二」の2棟あります。
現在申し込めるのは「第二無量寿堂」のみです。
使用できる区画は限定されますが、浄土真宗本願寺派の檀家であれば申し込めます。
一般的な納骨堂と同じように、年ごとに2千円の管理費(大谷本廟では年次維持冥加金と呼ばれています)が必要になります。

大谷墓地

大谷本廟の寺院墓地です。
現在は新規受付をしていません。

墓地の奥には「お荼毘所(おだびしょ)」と呼ばれる親鸞聖人を火葬したと伝えられている場所があります。
標識通りに進むとたどり着けます。
階段があり、細い道と通るので足の悪い方には難しいかもしれません。

お荼毘所の様子

納骨について注意すること

小豆小僧
小豆小僧

大谷本廟は浄土真宗本願寺派の寺院の檀家(門徒)でなければ利用できません。
付き合いのある寺院がなければ、葬儀社などで寺院を紹介してもらえます。

まとめ

今回は大谷本廟(西大谷)での納骨について解説しました。
関西で浄土真宗本願寺派の寺院は身近にあるので、大抵の葬儀社から紹介してもらえます。
大谷本廟は本山の飛地境内なので、永代供養に求められる永続性と安心感は高いのではないでしょうか?
納骨場所に悩んでいる方の参考になれば幸いです。

東大谷での納骨については、大谷祖廟での納骨についてで解説しています。
東大谷との違いについては、大谷本廟と大谷祖廟の違いと真宗本廟収骨についてでご確認ください。
ご意見・ご指摘がございましたらお問い合わせフォームからお願いします。

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