「お骨を納めるなら一心寺が良いって聞いたけど、四天王寺にも納骨できる場所があるって本当?」
「歴史のあるお寺みたいだけど、具体的に何が違うの?」
大阪にある一心寺と四天王寺は、どちらも納骨と永代供養でよく名前が挙がるお寺です。
終活で自身の納骨先を探す方の候補にもなるお寺でしょう。
私自身もお墓を建てる予定はないので、一心寺と四天王寺での納骨には関心はあります。
しかし、この2つの寺院には、それぞれどのような『違い』があるのかご存知でしょうか?
この記事では、現役の葬祭ディレクターである私が一心寺と四天王寺を
「供養方法」
「費用と手続き」
「歴史と役割」
「骨壺のサイズ」
という4つのポイントから分かりやすく比較解説します。
他にも大切なことが現地で分かったので併せて紹介します。
この記事を読めば、どちらのお寺があなたやご家族の供養にあっているのか、きっと見えてくるはずです。
一心寺と四天王寺の場所

まず納骨を話題にする際に
一心寺と四天王寺が比較される最大の理由は近さにあります。
谷町筋(府道30号線)の「四天王寺前」交差点を
東に80mほど進むと四天王寺の鳥居、
西に200mほど進むと一心寺仁王門があります。

大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」には行き方の案内看板があります。
この看板をご覧いただけると、
一心寺と四天王寺の近さがお分かりいただけるでしょう。
一心寺と四天王寺の『違い』を徹底比較
供養方法の『違い』
一心寺と四天王寺にはそれぞれ墓地もありますが、今回は永代供養のみ取り上げます。
一心寺 | 四天王寺 | |
主な供養方法 | お骨佛 (おこつぶつ) | 納骨総祭塔 (合同墓) |
供養の特徴 | 遺骨は一定期間保管された後、 粉骨され10年ごとに仏像(お骨佛)として納骨される。 | 一定期間は骨壺のまま阿弥陀堂で仮安置。年に4回の納骨総祭法要で供養塔に合祀。 |
改葬した遺骨の納骨について

改葬した遺骨は四天王寺では納骨できますが、
一心寺では断られます。
墓じまいや他の納骨施設から移した遺骨を納骨される方は、一心寺での納骨を諦めてください。
墓じまいを検討しているなら、
専門家から納骨先のアドバイスをもらえれば選択肢が増えるでしょう。
費用と受付時間の『違い』
一心寺 | 四天王寺 | |
費用の名称 | 納骨冥加料 (のうこつみょうがりょう) | 納骨料・納骨総祭回向料 |
費用 | 2万円・3万円・5万円 *2万円でも可 | 納骨料 1万円以上 納骨総祭回向料 5千円以上 *合計1.5万円でも可 |
受付時間 | 午前9時から午後4時まで | 午前8時30分から午後3時まで |
骨壺の大きさの『違い』
一心寺では骨壺の大きさに制限があります。
令和3年1月1日より、納骨できる骨壺の大きさが高さ11cm・直径9cm以内と決められました。
一方で、四天王寺では骨壺の大きさに制限はありません。
上記の方は一心寺での納骨は諦めてください。

大きな骨壺に納めていても自身で取り出せるなら、
一心寺に納めることはできます。
ただし、残った遺骨をどうするとか、書類の状況により流れが複雑になります。
自分で分骨する方法に詳しく書いたので参考にしてください。
宗派・歴史と役割の『違い』
一心寺 | 四天王寺 | |
---|---|---|
宗派 | 浄土宗 | 和宗 (戦後に天台宗から独立) |
歴史・由来 | 戦国時代から続く歴史を持つが、現在の「お骨仏」は明治時代に始まる。庶民の信仰を集めてきたお寺。 | 聖徳太子によって建立された日本最古の官寺。日本仏法の中心として、格式と由緒を重んじてきたお寺。 |
お寺の役割 | 「お骨仏」を通じて、多くの人の遺骨を供養し続けてきた。お墓を持てない人々の受け皿として大きな役割を果たしている。 | 日本最古の建築様式、創建当時からの多くの文化財を継承している。新西国三十三観音霊場第一番など多くの札所にもなっている。 |
法要の時期

一心寺では遺骨を預けた流れで納骨法要を営まれます。
四天王寺では納骨法要は後日になります。
そのために、一心寺では納骨の際に数珠が必要ですが、四天王寺には記載がありません。
四天王寺で遺骨を預けた日に法要を依頼する際は、納骨と別に申し込まなければなりません。
遺骨を預ける日に法要をされる方は数珠も用意しましょう。
【重要】一心寺で納骨できない宗旨について
一心寺は宗派を問わず広く受け入れているお寺ですが、特定の宗旨の納骨はできないとされています。
創価学会の方は一心寺での納骨はできませんので、四天王寺など他の納骨場所を検討する必要があります。

下記のコメントありがとうございます!
さらに詳しく知りたい方へ【関連ページ】
この記事で、一心寺と四天王寺の「違い」についてご理解いただけたかと思います。
しかし、どちらを選ぶか、費用はどのくらいかかるのか、さらに詳しく知りたいことも多いでしょう。
そんなあなたの疑問に答える、さらに専門的な記事をご用意しました。
- 一心寺の供養について詳しく知りたい方はこちら
- 四天王寺の費用と手続きについて知りたい方はこちら
- 『四天王寺の永代供養の全知識』
近日中に、これらの記事を公開していきますので、ぜひそちらも参考にしてください。
最後に
一心寺と四天王寺での納骨は、
予約不要で安価なので人気があります。
土日などの休日に伺うと人気の高さが実感できます。

火葬場の場所と移動時間にもよりますが、
朝イチで葬儀・火葬・収骨をして、
そのまま納骨することも可能です。
私自身も葬儀の事前相談や打ち合わせで、問い合わせを受けると可能だと返答します。
葬儀当日に納骨される方も少なくありません。
私自身も墓を建てる意志はないので、候補にしている場所の一つです。
しかし、いつでも納めることができますが、納めた遺骨は返してもらえません。
実際に現地に行ったり、家族・親せきと話し合い、十分に検討してから最善の方法を選んでください。
関西には他にも多くの納骨施設があります。
どこが最適の場所になるのかは、人によって異なります。
自分たちとって最善の方法を選びましょう。
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コメント
今週一心寺さんへ見学に伺いましたが、創価学会の方は駄目とおっしゃっていました。
ぱぱすさま
返信が遅くなり申し訳ありません。
ご指摘ありがとうございます。
内容を修正致します。
また何か気になる点、誤りがあれば
よろしくお願いします。