一心寺と四天王寺で納骨する際の違い

お寺

一心寺に納骨をすると決めている方は、関西では多いのではないでしょうか?
これから関西で納骨をする場所を探す方にも、一心寺は候補に挙がってくるかと思います。
私自身もお墓を建てる予定はないので、一心寺での納骨には関心はあります。
多くの方にとって馴染みのある一心寺は、人気があるため制限もあります。
納骨する際に、一心寺と比較されるのは四天王寺です。
今回は、一心寺と四天王寺で納骨する際の違いと、それぞれの特徴を解説します。

一心寺と四天王寺の場所

四天王寺前の交差点看板

納骨を話題にする際に
一心寺と四天王寺が比較される最大の理由は近さにあります。
谷町筋(府道30号線)の「四天王寺前」交差点を
東に80mほど進むと四天王寺の鳥居、
西に200mほど進むと一心寺仁王門があります。

四天王寺夕陽ケ丘駅にある四天王寺と一心寺までの行き方の看板

大阪メトロ谷町線の「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」を降りると行き方の案内看板があります。
この看板をご覧いただけると、一心寺と四天王寺の近さがお分かりになるでしょう。

一心寺とは

一心寺仁王門
一心寺の仁王門

一心寺は浄土宗のお寺です。
他の寺院と異なることは、一心寺が「お骨佛」(おこつぶつ)のお寺として認知されていることでしょう。
「お骨佛」は「おこつぼとけ」と読まれている方がいますが、「おこつぶつ」が正式な読み方です。
一心寺の「お骨佛」は、一心寺に納骨された遺骨を粉末状にして、10年毎に造立されています。
最近では平成29年(2017年)5月に造立開眼されました。
次に造立されるのは令和9年(2027年)になります。

現在は8体の「お骨佛」が安置されています。
造立が新しい4体は「納骨堂」で、造立の古い4体は納骨堂の隣にある「お骨佛堂」で安置されています。
ご先祖様の遺骨が練り込まれた「お骨佛さま」の前で、参拝される方は手を合わせています。

一心寺の「お骨佛」は大阪市の指定文化財として登録されています。
大阪市のホームページ

一心寺で納骨する方法と流れ

一心寺で納骨することは、遺骨を「お骨佛」にすることです。
令和3年1月1日より、納骨できる骨壺の大きさが高さ11cm・直径9cm以内と決められました。

小豆小僧
小豆小僧

大きさの基準に合わせた骨壺は、葬儀社で用意できます。
葬儀の打合せの際に、一心寺に納骨する旨を必ず伝えてください。
骨壺の大きさは2.3寸もしくは3寸になります。
規定されているより大きい骨壺に納めている遺骨は、一心寺では納骨できません。

2.3寸の在庫のみで、3寸骨壺の在庫がない葬儀社もあるようです。
それほど高額でないので、事前に準備しておけば安心です。

在庫があっても多くの葬儀社では白か銀の用意しかありません。
好きな色があれば、こちらから購入することができます。

3寸の骨壺
収納袋は高さ20.5cm 幅12・5cmですが、骨壺は高さ11cm 幅8.8cm 一心寺の規定に収まります。

最初から規定されている大きさの骨壺に遺骨を納めるか、大きい骨壺から基準に合わせた骨壺に移し替えましょう。
小さい骨壺に納めた場合、残った遺骨を納める先は近いうちに記事にします。

納骨の受付時間は、午前9時から午後4時までです。
予約はできないので時間に余裕をもって行動しましょう。

納骨に必要な持ち物

  • 規定の大きさの骨壺に納められた遺骨
  • 火葬許可証の原本(火葬済証明書・分骨証明書いずれかでもOKです)
    *コピーは不可です
  • 2万円、3万円、5万円のいずれかの現金
    *一心寺では納骨冥加料と呼ばれています
  • お数珠(納骨法要で焼香する際に必要となります)
  • 戒名(法名・法号)が分かる書類など*俗名や不明でも問題ありません

代表者を決めておきましょう。
後日に大法要の案内が、代表者にハガキで案内されるそうです。

仁王門を入ったところの看板
仁王門から入ると「受付所と案内所」の看板が見えるので迷うことはありません

一心寺の入り口である仁王門から入ると看板が見えます。
そのまま案内通りに進むと受付があります。

納骨書類の書き方

受付には書き方の見本があります。
記入方法で迷うことはないでしょう。

永代祠堂(左)と納骨(右)の書類
永代祠堂は水色
納骨は白色

納骨するには右側にある白色の用紙に記入してください。
左側にある青色の要旨は永代祠堂に納める用紙です。
永代祠堂とは、一心寺で法要を法要をしてもらうことです。
33年間、年忌法要をしてもらえます。
法要の案内はハガキで案内されるそうです。
遺骨を納めるだけでなく、法要も一心寺に依頼したい方は一緒に申し込めることができます。

記入を済ませたら、受付で手続きを済ませて納骨冥加料を納めます。
後は、係りの方の案内で本堂に進みます。
本堂ではお坊さんが納骨法要の読経をされているのでお焼香を済ませて退堂します。

混んでいなければ小一時間で終わりますが、混んでいると数時間かかることもあります。
混雑することが苦手な方は、平日の早い時間や雨の日を選びましょう。

一心寺で納骨する際の注意する点

宗派を問わずに受け付けてもらえますが、創価学会関係者の納骨は断られます。

墓じまいで改葬したり、他の納骨施設から移した遺骨は受け付けてもらえません
一心寺での納骨は諦めてください。

遺骨はお骨佛になるので、納めると戻してもらえません。
いつでも受け付けてもらえるので、十分に検討してから判断をしましょう。

一心寺には駐車場がありません
車を利用する際には、近隣のコインパーキングを利用しましょう。
土日などは近隣のコインパーキングが満車になり、駐車場を探すのに時間がかかることもあります。

四天王寺とは

四天王寺の鳥居

四天王寺とは、日本史の教科書に登場する聖徳太子が建立された歴史のある寺院です。
境内は甲子園の3倍の広さがあり、国内だけでなく外国の観光者も多く訪れています。
四天王寺の宗派は「和宗」(わしゅう)です。和宗の寺院は他にありません。
四天王寺は和宗の総本山です。

四天王寺で納骨する方法と流れ

四天王寺境内の地図
四天王寺の境内地図

四天王寺は境内に墓地があり、通常のお墓を建立することもできます。
しかし今回は「納骨総祭塔」に納骨する方法のみを紹介させてもらいます。
「納骨総祭塔」は合祀墓で、一心寺の「お骨佛」と比較される納骨方法です。
合祀墓については後継者のいない人はお墓をどうするのか?の「永代供養墓に納める」を参考してください。

改修中の六時堂

納骨の受付する場所は六時堂ですが、平成5年春から改修工事をしています。
改修が終わるまでは、他の場所に受付が設営されています。

六時堂までの看板

仮の六時堂までの看板は、境内に複数設営されています。
受付の建物まで迷うことはないでしょう。

六時堂の受付建物

訪れた日は土曜日の午後でしたので、建物の外で多くの人が待っていました。
四天王寺の納骨方法について教えてもらおうと受付で確認しましたが、混んでいるので相談は平日の朝イチを勧められました。

納骨の受付時間は朝の8:30から15:00までなので、相談したい方は目安にしてください。
納骨は一心寺と同様に予約は不要です。
時間に余裕をもって行動しましょう。
六時堂の閉堂の時間は4月~9月は16:30で、10月~3月は16:00と時期で異なるので注意してください。

納骨に必要な持ち物

  • 骨壺に納められた遺骨(大きさに決まりはありません)
  • 火葬許可証(火葬済証明書・分骨証明書いずれかでもOKです)の原本
    もしくは改葬許可証の原本
    *コピーは不可です
  • 一霊につき納骨料1万円以上+納骨総祭回向料5千円以上の現金
    *1万5千円で問題ありません
  • 代表者の本人確認できるもの(マイナンバーカードや運転免許証など)
  • 代表者の印鑑(四天王寺では施主様と表示されます)
  • 故人の俗名・死亡年月日・享年
    *享年は満年齢と異なります。位牌か過去帳に記されています。
  • 戒名(法名・法号)が分かる書類など*俗名や不明でも問題ありません。
    *位牌や過去帳を書き写しておけばよいでしょう
  • 代表者の住所・氏名・電話番号
    *後日に納骨総祭法要の日時がハガキで案内されます。

建物内にある受付名簿に名前を書いて、呼ばれるまで待機します。
混み具合によって呼ばれる時間は異なります。
名前を呼ばれたら、遺骨を預ける手続きを行います。
書類に不備がないか、遺骨が乾燥しているかなど確認されます。
待ち時間がなければ一時間弱で終わります。
しかし土日など混んでいると数時間待つこともあります。

預けた遺骨は、年に3回営まれる納骨総祭法要まで納骨堂に仮安置されます。
納骨総祭法要の際に、遺骨は納骨総祭供養塔に合祀されます。
ご遺骨が納骨総祭塔に納められるまでの流れを、四天王寺さんのホームページより抜粋させてもらいました。

お受け致しましたご霊骨は、年に3回の納骨総祭法要(2月末頃・6月末頃・10月末頃)迄は、阿弥陀堂西の納骨堂にて仮安置いたします。納骨総祭法要の際に四天王寺の合同墓地(納骨総祭供養塔)へ合祀いたします。

2月1日~5月31日の期間に申し込まれた方は6月末頃に行われる夏季納骨総祭法要にて、6月1日~9月30日の期間に申し込まれた方は10月末頃に行われる秋季納骨総祭法要にて、10月1日~1月31日の期間に申し込まれた方は2月末頃に行われる春季納骨総祭法要にて、それぞれ供養をさせて頂きます。

四天王寺のホームページより

現時点では9基の納骨総祭供養塔が建立されています。
最近では平成28年(2016年)6月1日に建立されました。
一般的なお墓のようにお花を供えて、お線香をあげてお参りできます。
ただしお参りできる時間に制限があるので注意してください。

納骨総祭塔の入口
納骨総祭塔の入口
敷地内の納骨総祭塔の配置図
納骨総祭塔の配置図

四天王寺で納骨する際の注意点

遺骨を預けてから納骨塔に納めるまで日数がかかりますが、納めた遺骨は返してもらえません。
予約は不要なので、家族・親せきと十分に検討してください。

遺骨を大きい骨壺(胴骨壺)と小さい骨壺(本骨壺)の2個の骨壺に納めている方の場合は注意してください。
骨壺1個に対して、1通の火葬許可証もしくは分骨証明書が必要となります
一人の遺骨を2個の骨壺に分けている場合は、2通の書類が必要になります。

四天王寺の境内は広いです。歩く距離は意外とあります。
境内に段差はほとんどありませんが、歩行に困難がある方は車イスを利用するなど対策が必要な場合があります。

六時堂などの改修工事で境内の駐車場は利用できません。
車を利用する際には、南大門にあるコインパーキングを利用しましょう。

一心寺と四天王寺で納骨する際の違い

骨壺の大きさ

一心寺では骨壺の大きさに制限がありますが、四天王寺では骨壺の大きさに制限はありません。

  • すでに大きな骨壺に遺骨を納めている方
  • 家族や親せきの人数が多くて小さい骨壺に遺骨を納めることに同意がもらえない。

上記の方は一心寺での納骨は諦めてください。

大きな骨壺から一部の遺骨を取り出して、一心寺に納めることはできます。
ただし、残った遺骨をどうするとか、書類の状況について流れが複雑になります。
どうしても知りたい方は、お問い合わせフォームから連絡もらえればお伝えします。

改葬した遺骨の納骨

四天王寺では改葬した遺骨を納骨することができますが、一心寺では断られます。
墓じまいしたり、他の納骨施設から移した遺骨を納骨される方は、一心寺での納骨を諦めてください。
大阪には一心寺以外にも多くの納骨できる施設があります。

法要の流れ

一心寺では遺骨を預けた流れで納骨法要を営まれます。
四天王寺では納骨法要は後日になります。
そのために、一心寺では納骨の際に数珠が必要ですが、四天王寺には記載がありません。
四天王寺で遺骨を預けた日に法要を依頼する際は、別に申し込まなければなりません。
そのまま法要をされる方は、数珠も用意しましょう。

数珠は男性用と女性用があります。

男性用の数珠
女性用の数珠

こちらから購入できます
男性用の数珠
女性用の数珠

最後に

一心寺と四天王寺での納骨は、予約不要で安価なので人気があります。
土日などの休日に伺うと、人気の高さが実感できます。

小豆小僧
小豆小僧

移動時間にもよりますが、
朝イチで葬儀・火葬・収骨をして、そのまま納骨することも可能です。

葬儀の事前相談や打ち合わせで、問い合わせを受けると可能だと返答します。
葬儀当日に納骨される方も少なくありません。

私自身も墓を建てる意志はないので、候補にしている場所の一つです。

しかし、いつでも納めることができますが、納めた遺骨は返してもらえません。
実際に現地に行ったり、家族・親せきと話し合い、十分に検討してから最善の方法を選んでください。

関西には他にも多くの納骨施設があります。
どこが最適の場所になるのかは、人によって異なります。
自分たちとって最善の方法を選びましょう。

この記事について、ご意見・ご指摘がございましたらお問い合わせフォームからお願いします。

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