突然ですが、
「妙心寺に遺骨を納めることができる」と聞いて、
具体的な方法や費用まで知っている方は多くありません。
実は妙心寺では、
本山(涅槃堂)による永代供養と、塔頭寺院ごとの永代供養という複数の選択肢があり、
供養の考え方や費用、納骨の方法も大きく異なります。
今回は実際に大本山妙心寺を訪れ、
現地で撮影した写真と確認した内容を中心に、
永代供養と納骨の違い、費用の目安、塔頭の選択肢までを分かりやすく解説します。
この記事を読むことで、
- 妙心寺で遺骨を預ける方法
- 永代供養と納骨の違い
- 本山と塔頭での納骨方法の違い
上記のことが整理できます。
臨済宗妙心寺派での永代供養を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
大本山妙心寺とは?

大本山妙心寺は、京都市右京区にある臨済宗妙心寺派の本山です。
境内は南北約600メートル、東西約550メートルに及び、京都市内でも有数の広さを誇ります。
「北総門」の周辺にコインパーキングや参拝者用の無料駐車場があるので、自家用車を利用しての参拝も可能です。
「妙心寺」という名称の寺院はなく、仏殿や法堂などの七堂伽藍を指して妙心寺と呼び、境内の内外にある46ヶ寺の塔頭寺院が妙心寺の行事を行っています。
本山という特性から多くの観光客が訪れますが、
現役の修行と供養の場です。
このように妙心寺は、
単に「一つの大きな寺院」ではなく、
本山を中心に、多くの塔頭で形成されている構造が、
永代供養のあり方にも大きく関わっています。
妙心寺における「塔頭」(たっちゅう)とは|他宗派との違い
妙心寺が他の宗派と大きく異なる特徴の一つが、境内に多数の塔頭(たっちゅう)寺院を抱えていることです。
妙心寺の境内の内外には、46の塔頭寺院が点在しており国内でも有数の規模とされています。
塔頭とは何か?
「塔頭」とは、もともとは高僧の墓を安置する小さな庵(いおり)のような場所を指していました。
やがてその周辺に小堂が建立され、弟子や関係者が住み修行するための場所として発展しました。
のちにそれらが寺院として独立し塔頭寺院となったものが、今日のように多数存在する形になっています。
つまり、塔頭寺院は「本山の一部ではあるが、各々の寺院」として機能しています。
妙心寺の塔頭の多くは非公開で、常時参拝できるのは、退蔵院・大心院・桂春院など一部に限られています。
他宗派と比べた妙心寺の塔頭の存在
禅宗では塔頭という形で多数の寺院が本山の境内に集まっていることが多いという特色があります。
例えば、臨済宗大徳寺派の本山である大徳寺にも、大慈院など20以上の塔頭が敷地内に並んでいます。
これらも本山と連動しながら各々の寺院として修行や法要、墓所を担う役割を持っています。
対して、浄土宗・浄土真宗・天台宗などの本山では、本堂を中心とした一つの寺院で、境内に本山寺院から独立した形で多数の塔頭寺院が並ぶことはありません。
この点から、妙心寺は本山としての側面を持ち、各々の塔頭は本山の行事とは別に独自の寺院活動を行っているという構造が見えてきます。
これが、永代供養の方法が本山+塔頭という複数の選択肢が生まれる背景になっています。
大本山妙心寺(涅槃堂)の永代供養について

涅槃堂ねはんどうとは
大本山妙心寺の伽藍の一部である涅槃堂は、
観光客が立入禁止の施設で、宗教行為・供養の場としての役割を持つ建物です。
遺骨は涅槃堂の地下室に安置されます。
合祀墓なので一度納めた遺骨を戻してもらうことはできません。
涅槃堂での永代供養は「大本山妙心寺としての供養」
涅槃堂で行われる永代供養は、
臨済宗妙心寺派・大本山妙心寺で行われる供養です。
「個別の寺院との関係性」ではなく、
本山で供養されることに意味を見いだす方向けの永代供養であり、
浄土宗の知恩院、真言宗中山寺派の中山寺と同じ役割です。
電話やホームページでの受付けは行っていません。
年中無休なので、涅槃堂で直接申し込みましょう。
ただし、時間は以下の通りです。
- 午前:9時から12時まで
- 午後:1時から3時30分まで
大本山妙心寺における「永代供養」と「納骨」の違い
涅槃堂では「永代供養」と「納骨」が区別されています。
涅槃堂における「永代供養」とは、
遺骨の有無にかかわらず、故人に対する回向(法要)を指します。
「永代供養」だけを申し込んだ場合、
遺骨を預けないことを前提としない内容になります。
涅槃堂における「納骨」とは、
お墓代わりに遺骨を預けることです。
- 永代供養:供養(法要)を妙心寺に任せる
- 納骨:遺骨の管理を妙心寺に任せる
上記のようにプランが分かれているので
「永代供養=遺骨の管理を寺院に任せる」との
認識のまま話を進めると誤解が生まれます。
茨木市・総持寺の「永代供養」と「永代納骨」と同じ関係です。
お墓の代わりに妙心寺に遺骨を預ける場合は
「納骨」で申し込みましょう。
費用と必要な書類
- お墓や菩提寺に胴骨壺(大きな骨壺)で遺骨を納骨して、
本骨壺(小さな骨壺)に喉仏などを納める場合は10万円以上。 - お墓を建立せずに、涅槃堂をお墓代わりに遺骨を預ける場合は35万円以上。
1は真宗大谷派の真宗本廟収骨と同じ役割です。
涅槃堂に納骨する際は「火葬許可証」の提出は不要です。
2は、宗派を問わず墓じまいなどで改葬した遺骨を納めることもできます。
骨壺の大きさに関係なく利用できますが、火葬許可証や改葬許可証(コピーは不可)の提出が必要です。
火葬許可証を紛失していたら、再発行の手続きをしてください。
妙心寺の塔頭での永代供養
妙心寺の塔頭での永代供養は、それぞれの寺院で異なります。
今回は涅槃堂と法堂の見学で知人に同行しました。
そのため、塔頭での永代供養については、公式情報などを元に作成したのでご了承ください。
隣華院りんかいんの佛心塔ぶっしんとう
佛心塔は屋外に建立された大きな永代供養墓です。
涅槃堂と同じように「納骨」と「永代供養」が分かれています。
遺骨の管理を隣華院に任せる「納骨」は2パターン。
納骨だけであれば、宗派を問わず利用できます。
- 「個別安置形式」は25万円で13回忌まで骨壺を個別に安置して、その後に合祀
- 「合祀形式」は10万円で納骨法要後に合祀
永代供養料25万円と墓誌代3.5万円を追加すれば佛心塔側面に戒名などを刻んだプレートを設置してお墓代わりにすることができます。
大法院・はなぞの墓苑と永代供養堂
はなぞの墓苑は石材店が販売する団体型の樹木葬墓地です。
宗派を問わずに利用でき、
価格は遺骨を納める方の人数(1~6名)で決まります。
最後の方が亡くなって13回忌が過ぎると、墓じまいをして大法院が永代供養してくれます。
一定期間は専用区画のお墓にお参りできるので、合祀に抵抗がある方にオススメの形態です。
費用は最大で140万円と管理料がひと月あたり1,000円(税込)かかりますが、墓じまいと永代供養までを含んでいます。
大法院の境内には涅槃堂のような永代供養堂はありますが、利用条件・費用は不明です。
養徳院の樹木葬と寂静じゃくじょうの塔
樹木葬墓地の費用は、墓地関係のサイトによると1霊位17万円で、追加で墓誌プレートの作成も可能なようです。
寂静の塔は創建450年記念事業として建立された永代供養塔で、宗派を問わずに利用できます。
退蔵院の永代供養墓
公式ホームページの情報では、費用・利用条件は不明です。
まとめ|妙心寺で永代供養を考える際の判断基準
妙心寺で永代供養を検討する際に、
まず理解しておきたいのは、
「妙心寺の永代供養は1つだけではない」という点です。
大本山妙心寺は、本山の伽藍を中心に多数の塔頭が集まる場所であり、
永代供養や納骨についても、
- 本山(涅槃堂)による供養
- 塔頭寺院ごとの供養
複数の選択肢が存在します。
涅槃堂の永代供養は「基準点」となる選択肢
涅槃堂で行われる永代供養は、
個別に安置したり、故人を記すプレートを作成することはできませんが
本山での供養に意味を見出せる方には他にない選択肢です。
塔頭での永代供養は「選択肢を広げる」
涅槃堂での方法に抵抗がある方には、柔軟性の高い対応ができる塔頭は魅力的な選択肢です。
屋内型、樹木葬、納骨堂など多種の永代供養が選べます。
塔頭によっては個別安置や、故人を記すプレートを作成することもできます。
今回紹介した塔頭の永代供養については、
現地確認と公式情報や公開資料をもとにまとめたものであり、
実際の利用にあたっては必ず各寺院への事前確認が必要です。
今後について(追記方針)
今回は知人に同行した際に、涅槃堂を中心に確認した内容を主軸とし、
塔頭については公開情報などをもとに作成しました。
今後、実際に塔頭を訪問したり、
寺院や読者から情報提供があった場合には、
内容を追記・更新していく予定です。
妙心寺での永代供養を検討されている方にとって、
判断の材料となる記事であり続けられるよう、
必要に応じて加筆していきます。
ご意見・ご指摘などはお問い合わせフォーム、下記のコメント欄からお願いします。
追加の情報をお持ちの方も大歓迎です。


コメント