葬儀社の選び方で後悔しないために|高額請求を防ぐ「事前相談」のすすめ【葬祭ディレクターが本音で解説】

お葬式の基礎知識
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人生で何度も経験することのない「身近な方の葬儀」
大切な家族を喪った悲しみのなか、冷静な判断を下すのは誰にとっても至難の業です。
その動揺に乗じた「高額請求」や「不誠実な対応」が社会問題となり、
下記のように新聞で取り上げられるほど深刻化しています。

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葬儀で後悔しないためには「事前相談」が必須です

「縁起でもないから」
「まだ先の話だから」
そう思って事前相談を避ける方は少なくありません。

しかし、葬祭ディレクターとして断言します。
🔵 落ち着いた状況で“比較して判断できる時間”は、事前相談のときにしか確保できません

葬儀は相場が分からないと、葬儀社の言われるままになりやすい。
正しい情報を持っているかどうかで 費用も満足度も大きく変わります。

高額請求はなぜ起こる?|悪質な葬儀社の手口

このような高額請求が発生しやすいケースには共通点があります。
そして、下記のような手口は実際に依頼するまで分かりません

広告で低価格を大きく打ち出す

ホームページやチラシなどでプラン価格を比較した際に、他社よりも葬儀費用が安価だと見せます。
火葬式の価格を一般的な家族葬の価格のように表示していた葬儀社もありました。
詳しくは、こちらをご確認ください。

実際のプランは“条件が厳しい”

  • 安置室やドライアイスが1日分
  • 花の量が最小限もしくはオプション
  • 他社ではプランに含まれているものがオプション
  • 参列者の対応人数が少ない
    *参列者が増えると会場費や人件費が追加

上記のように、追加することを前提にプランを設定しています。

遺体を預けた後に高額オプションを追加

通常の買い物では価格に納得できなければ、キャンセルすることで高額請求を避けることができます。
しかし、限られた時間や状況のなかで対応を迫られる葬儀サービスではキャンセルが困難です。

特に、ご遺体を葬儀社の式場に預けた後では、キャンセルする難易度が上がります。
高額請求してもキャンセルされないと、担当者は今までの経験で分かっているのでしょう。

しかし、葬儀の依頼はキャンセルできるので、詳しくは以下の記事をご確認ください。
【関連記事】葬儀をキャンセルする方法

【葬祭ディレクターが明かす】事前相談で「葬儀社の本音」を見抜く3つの秘訣

事前の見積もりの5倍の金額。遺体を引き渡した後なので、もうキャンセルもできない。
受付や事前見積もりの担当者が良かったので
信用してしまいました。

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上記の口コミのように一部の葬儀社は、高額請求のために事前相談も利用します。
しかし、多くの葬儀社が事前相談を受ける理由は、遺族の不安をなくして葬儀の依頼に繋げるためです。
上記のような葬儀社か、相談の内容通りに対応してくれる葬儀社なのか、実際に依頼するまで分かりません。
事前相談で「葬儀社の本音」を見抜く秘訣を紹介します。

見積もりを書面でもらう

事前相談を高額請求のために利用する葬儀社は、事前相談の内容を反故にします。
以下の3点を確認しましょう。

  • 見積書の有効期限を必ず確認
  • 内容に納得しているなら「事前相談の内容でお願いします」と伝えるだけでOK
  • 有効期限が切れた時は事前に確認

見積もりを書面で渡さない葬儀社には注意が必要です。

追加料金を確認する

「この見積書に含まれていないものはありますか?」
ここを曖昧にする葬儀社は要注意。

追加になりやすいのは以下の項目

  • ドライアイス
  • 安置室利用料
  • 式場使用料金
  • 搬送料
  • 火葬料金
  • 食事・返礼品
  • 僧侶のお布施(紹介料含む)

事前相談で追加料金の説明のない業者には注意が必要です。
信用してもらおうと努める葬儀社は、この変動要素を丁寧に説明します。

他社と比較をする

1社だけで事前相談を済ませることはオススメできません。
私も事前相談を行いますが、他社でも相談することを提案しています。
葬儀のような経験が少ないサービスでは、他社と比較することで費用や対応が妥当か判断しやすくなります。

  • 費用の総額
  • 担当者の対応
  • プランに含まれる内容
  • 追加料金の説明

悪徳葬儀社は、他社比較を嫌います。
逆に誠実な葬儀社ほど、比較されることを歓迎します。

事前相談しなかったことで起きた「後悔事例」

葬儀では「費用」と「対応」に対して多くの方が後悔します。
対応での満足度は人によるので後悔をゼロにすることは困難ですが、費用に関しては後悔をゼロにできます
別記事:めざまし8「家族葬の料金トラブル」の内容と提案では、葬儀費用を50万で想定していたが、最終的に200万を支払ったそうです。
本当にお気の毒ですが、こちらの方は依頼した葬儀社を間違えたとしか言いようがないです。
大阪府高槻市であれば、13名の家族葬を50万程度ですることは可能です。
番組に出演した専門家は200万の家族葬は妥当な範囲とコメントしてましたが、ご遺族が「ぼったくり」と納得されていない時点で妥当ではありません。

火葬まで数日間ありエンバーミングも販売されているようですが、50万円の予算の葬儀に20万円前後のエンバーミングを提案されたことに、依頼者が本当に納得していたのか疑問です。
以前の記事で取り上げた通り、エンバーミングの問題点は販売方法にあります。
依頼者が無知であったり、動揺が大きく反論がなければ、このように高額請求する業者は少なくありません。

50万円程度の買い物が200万になるとは全く想定していなかったと思います。
そのために、依頼者は事前の情報収集を怠っていたのではないでしょうか?
一部の葬儀社は依頼者の要望を聞かず高額請求すると知識があれば、みん評cheeeseGoogleマップなどで情報を集め、適切な葬儀社に事前相談をしていたかもしれません。

事前相談をしていれば高額請求のリスクを回避し、納得のいく葬儀社を選ぶことができたでしょう。

ブローカー型 と 地域密着型 の違い

Googleで「葬儀 事前相談」と検索すれば、「小さなお葬式」「よりそうお葬式」などのブローカー型葬儀社が表示されることが多いです。
これらの業者のホームページで表示されている「追加料金なし」の金額で葬儀を行うには、日程や遺体の状態の条件があり、プラン内容に対する理解と妥協も必要です。
基本的にブローカー型葬儀社の事前相談は、電話かメールで行われます。
もし、あなたが面談を希望すれば、ブローカー型葬儀社でなく提携葬儀社が対応します。
しかし、いざという時に事前相談した提携葬儀社が忙しければ、他の空いている提携葬儀社が対応することになります。
最悪の場合、依頼そのものが断られることもあります。

事前相談で対応や費用などの安心を求めるのであれば、利用するホールを所有する葬儀社に直接依頼しましょう。

失敗しない事前相談の進め方

事前相談は、いざという時の後悔を「ゼロ」にするための最も効果の高い方法です。
葬祭ディレクターとして、あなたが失敗しない事前相談を行うための具体的な進め方と、最終確認すべきチェックリストをご紹介します。

STEP1:「家族の要望」を整理する

事前相談に臨む前に、まずは家族間で葬儀に関する大まかな要望を話し合っておきましょう。

  • 安置場所:逝去されてから、自宅、葬儀社の安置室など、故人を連れて帰る場所
  • 規模と参列者: 一般葬、家族葬、一日葬、火葬式など、どのくらいの規模を希望するか。
    親族だけか、近所などの一般の方はどうするのか?人数を把握する
  • 予算: 大体の予算感(例:〜50万円、〜100万円など)
  • 故人の意向: 故人が生前に希望していたこと(もしあれば)
  • 場所: 希望する斎場や自宅など。
  • 宗教・宗派: 無宗教か、特定の宗教・宗派か。

これらの要望を事前に整理しておくことで、相談がスムーズに進み、葬儀社も的確な提案がしやすくなります。
予算については、【葬祭ディレクターが解説】葬儀費用の「平均」と「中央値」どちらを信じるべき?を参考にしてください

STEP2:複数の葬儀社に「事前相談」を行う

前述の通り1社だけの相談では比較検討ができないので、最低でも2〜3社の葬儀社に事前相談を行いましょう。

知人や近所の方から評判の良い葬儀社を紹介してもらえれば安心。
ただし他社の評判が良くても、あなたの基準とは異なることもあります。

STEP3:提示された「見積書」を徹底的に比較・確認する

各社から出された見積書を比較する際は、以下の点に注目しましょう。

  • 総額の差
  • 内訳の透明性
  • 含まれるもの・含まれないもの
  • 有効期限
  • 延長や変更時の料金

火葬待ちなどのケースごとに費用が変動するのか教えてくれる担当者は信頼ができます。

STEP4:担当者の対応力と信頼性を「見極める」

葬儀は「人」が運営するので、担当者の質が葬儀の満足度に直結します。

  • 専門用語を避けて説明する
  • 家族の意向を丁寧に聞く
  • 不必要な提案をしない
  • 不明点を曖昧にしない

ただし、見積書の作成と葬儀の運営を分業している葬儀社も少なくありません。
誰が葬儀を運営してくれるのか確認しておきましょう。

最終チェックリスト

事前相談を終えたら、以下の点を最終確認しましょう。

  • 家族全員の要望が反映されているか
  • 最終的な総額費用を把握し納得しているか
  • 見積書(書面)を受け取っており、内容を理解しているか
  • 追加料金が発生する可能性のある項目を全て確認しているか
  • 信頼できる担当者だと感じたか
  • 葬儀後の不要な営業を断る意思を伝えたか

このチェックリストを参考に、安心して葬儀を任せられる「最善の相談相手」を見つけてください。

今回の記事が、あなたの不安を少しでも和らげる一助になれば幸いです。
疑問や不安の他にも、ご意見・ご指摘などはお問い合わせフォーム、下記のコメント欄からお願いします。

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