スマホやパソコンで「家族葬 安い」
「火葬式 大阪」などと検索すると、
「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」などの葬儀紹介サービスが上位に表示されます。
これらを「仲介業者」だと考えていませんか?
これらは「仲介業者」と紹介されることもありますが、実際の構造や口コミを見ると、
“ブローカー的な性質”が強いとも言われています。
はっきりと「ブローカー」と呼んでいる方もいらっしゃいます。
「小さなお葬式」のネット葬儀大手、不当囲い込み疑いを改善 公取委:朝日新聞デジタル
— 考える葬儀屋さん 著書「子供に迷惑をかけないお葬式の教科書」扶桑社から絶賛発売中 (@kangaerusougiya) December 2, 2021
「提携する葬儀業者に競合他社と取引しないよう求めて不当に囲い込んでいた」
結局どの葬儀ブローカーに頼んでも、紹介される葬儀屋は同じってことが、これで証明された。https://t.co/G4MrdAI9Cc
今回の記事では、現役の葬祭ディレクターである私が「仲介業者」と「ブローカー」の違いを明確にし、「小さなお葬式」のサービスの核心を解説します。
「仲介業者」と「ブローカー」の違いとは?
まずは言葉の定義を明確にしましょう。
両者の一般的な意味と葬儀業界における違いを以下の表に整理しました。
用語 | 一般的な定義 | 葬儀業界での位置づけ |
仲介業者 | 取引の間に入り、契約や手続きを仲立ちする業者 | 契約の窓口として調整役を担う |
ブローカー | 手数料目的で取引を斡旋する業者(自らはサービス提供しない) | 紹介のみ行い、契約や施行には関与しない |
図解イメージ:仲介業者とブローカーの違い

「小さなお葬式」はなぜブローカー型と言われるのか?
多くのネットなどの記事では「小さなお葬式」を仲介業者だと紹介されていますが、実態は少し異なります。
「小さなお葬式」の仕組み
「小さなお葬式」は、一部のエリアでは葬儀サービスを提供していますが、大半のエリアでは自社で葬儀サービスを提供していません。
その仕組みは、以下のようになっています。
- 提携葬儀社のネットワーク
・全国4,000ヵ所以上の提携式場の中から、依頼のあった地域に該当する葬儀社を選びます。 - 依頼情報の転送
・利用者からの依頼情報を、提携先の葬儀社に転送します。
これは「丸投げ」に近い形です。 - 契約・施行は提携葬儀社
・最終的な契約や葬儀の運営は、利用者と提携葬儀社との間で直接行われます。
この仕組みを見ると「手続きの仲介」ではなく、実質的には手数料目的で葬儀を紹介する「ブローカー型」のサービスと捉えるのが自然です。
上記の仕組みから判断すると、仲介業者でなくブローカーと捉えるほうが妥当でしょう。
ブローカー型サービスが引き起こす3つのトラブル
ブローカー型サービスは、費用を抑えたい利用者と利益を上げたい葬儀社という、利害が一致しない両者を繋ぐため、以下のようなトラブルを引き起こしやすくなります。
責任の所在が曖昧になる
「小さなお葬式」はあくまで「紹介」までが役割です。
そのため、葬儀自体のトラブルや不満は、提携先の葬儀社に直接伝える必要があります。
しかし、多くの利用者は「小さなお葬式」に責任があると考えクレームを伝えます。
「小さなお葬式」では葬儀内容やトラブルを把握できていません。
その結果、「担当の葬儀社に聞いてください」とたらい回しにされ、不信感と不満が募ります。
追加費用で想定外の高額請求が発生する
提携先の葬儀社は、「小さなお葬式」に紹介料を支払う必要があります。
紹介料を回収するため、遺族に高額なオプションを勧めたり、追加費用を請求したりするケースが少なくありません。
半ば強制のようなオプション販売は、みん評などの口コミサイトでも確認できます。
サービスの質にばらつきがある(葬儀社ガチャ)
「小さなお葬式」は全国の様々な葬儀社と提携しています。
そのため、紹介される葬儀社やスタッフの質に大きな差が生じます。
これが、「丁寧な対応だった」という高評価と、「高額なオプションを押し付けられた」という低評価に繋がる根本的な原因です。
後悔しないための3つの確認ポイント
ブローカー型サービスすべてが悪いわけではありませんが、「仲介業者」だと信じてすべてを任せるのは危険です。
後悔しないお葬式にするために、以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。
施行する葬儀社の社名と所在地を明確に確認
最終的な契約相手は「小さなお葬式」ではなく、提携先の葬儀社です。
「小さなお葬式」に依頼する際には、葬儀社名と所在地を確認しましょう。
最終的な契約相手は誰かを把握
トラブル時に「誰が責任を持つのか」を確認することが重要です。
実際に下記のような問題は起こっています。
繰り返し出していますがこれ。#小さなお葬式 を経由して #さがみ典礼 で打ち合わせることになりました際の「申込書兼見積書」です。
— mosrite 💙💛 owner (@mosriteowner) July 7, 2025
「株式会社 #ユニクエスト (担当葬儀社)宛」
とあります。契約相手は結局どこになるなのか。私は未だに理解できていません。 pic.twitter.com/wKbwOrTCFv
追加費用の必要性について書面で確認
ホームページに記載されている金額を信じて依頼することはオススメできません。
葬儀費用に上限がある方は注意が必要です。
最初に提示されたプランに含まれない追加費用が発生しないか書面で確認しましょう。

口コミでは多くの方が想定以上の「追加費用」で後悔をしています。
最後に
今回の記事では、「小さなお葬式」のサービスの核心である「ブローカー型」について解説しました。現在の「小さなお葬式」の仕組みでは、「小さなお葬式」が責任を持って対応できないでしょう。
小さなお葬式を賢く使う方法は【専門家解説】小さなお葬式の最悪な口コミを徹底分析!後悔しない賢い使い方をご確認ください。
「小さなお葬式」を運営する(株)ユニクエストは、2025年7月にグループ企業が運営する「家族葬のらくおう」を「小さなお葬式ホール」に合併・統合しました。
この合併・統合により、紹介サービスだけでなく、今までより多くの葬儀サービスが提供できるようになりました。しかし、SNSなどのネット上では、この合併・統合に対する懸念の声も上がっています。
「小さなお葬式ホール」の注意点は【専門家解説】「小さなお葬式ホール」合併で高額請求リスクは?らくおう利用者の口コミから分析で解説しています。
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