大切な人を見送るとき、できるだけ丁寧に、心を込めて送りたい。
それは誰もが願う自然な気持ちです。
しかし、葬儀の準備には沢山の時間とお金がかかります。
時間が無ければ考える時間が少なくなり
いつの間にか形式に追われてしまうことも少なくありません。
最近では、近親者だけで送り出す「家族葬」が広がり、本当に大切な人たちだけで、落ち着いてお別れをするスタイルが増えています。
そしてこの家族葬こそ、「無理のない見送り方」ができる大きなチャンスです。
今回の記事では
「費用の負担をできるだけ減らしたい」
「慣習に縛られず、心のこもったお葬式をしたい」
そんな方に向けて、省略できる葬儀の慣習や費用の工夫を紹介します。
家族葬とは?

家族葬とは親しい家族や限られた人だけで行う
小規模な葬儀形式です。
一般の弔問客を呼ばないことで参列者の人数を抑えることができ、
心静かに
あたたかく
心を込めて故人を見送ることができます。
従来の「一般葬」では、
会社関係
ご近所
地域の方など
幅広い参列者を招きます。
家族葬では本当に縁の深い人だけに限るため、
準備や対応の負担が大きく減るのが特徴です。
「お世話になった人を呼ばなくていいの?」と不安になる方もいますが、
スマホが普及した現在では、
SNSや電話などで感謝の気持ちを別の形で伝える方も多く、
「見送り方=人を多く集めること」ではないという価値観が広まりつつあります。
何より大切なのは、
故人への感謝の気持ちと、
家族が納得できる送る方法です。
慣習や形式にとらわれすぎず、
その人らしい最期の時間を、
心を込めて過ごすことが家族葬の本質です。
無理のない家族葬を考える3つの視点
「家族だけでゆっくりと見送りたい」
「費用や準備が心配…」
そう感じる方に知ってほしいのが、家族葬の“柔軟さ”です。
一般葬のような形式にこだわらず、家族葬ならではの自由な発想で、
金銭的
時間的
精神的
3つの負担を大きく減らすことが可能です。
ここでは、無理のない家族葬を実現するために考えたい3つの視点を紹介します。
視点①「費用」本当に必要なものを見極める
家族葬の費用は、一般葬に比べて抑えられる傾向があります。

しかし、不要なオプションを追加すれば費用で後悔することもあります。
- 本当に必要なアイテム・サービスをリストアップ
- 供花、会葬返礼品の数を事前に想定する
- 祭壇・車輌・会食など、省略できる部分の確認
「見栄」を捨てて、「納得できるのか?」を基準に選ぶことが大切です。
視点②「時間」余裕のあるスケジュールで心の整理
葬儀の準備は短期間で決めることが多く、ご家族の大きな負担になります。
- 家族葬なら、通夜を省略して一日葬や火葬式にすることも可能
- 「初七日法要」を葬儀と併せて行う
- 葬儀社との事前相談・事前見積もりを利用して、慌てず準備を進める
葬儀の時間が短くても、お別れの時間は作れます。
視点③「気持ち」形式でなく‘’その人らしさ‘’を大切に
形式にこだわりすぎると、かえって疲れや後悔が残ってしまうこともあります。
- 宗教儀式(僧侶の読経)の有無を選ぶ
- 故人の好きだった音楽を流す
手紙やメッセージボードを棺に入れる - ゆっくりと故人を偲び語り合う時間が持つ
「ちゃんとしてないと思われるのでは?」と不安になる方もいますが、故人を想う気持ちがあれば、立派な葬儀でなくても、あたたかいお別れはできるのです。
「省いてもよい」葬儀の習慣とは?
葬儀には長年の習慣や地域性から、
「やって当たり前」とされてきた形式や準備が数多くあります。

しかし家族葬では、そうした慣習に従う必要はありません。
費用・手間・精神的な負担を見直し、
故人の意志や遺族の気持ちを第一に考えることが、
今の時代に合った“無理のないお別れ”の第一歩です。
ここでは、見直すことができる代表的な慣習を紹介します。
祭壇・供花の規模と内容
「生花で彩られた祭壇」
「親族一同の供花」
などが形式的に求められがちですが…
- 故人の写真と愛用の品で飾られたシンプルな祭壇も可能
- 「親族一同」の供花は地域の習慣なので、費用が大きいため省略を検討
霊柩車など車輛を変更する

霊柩車を左記のような専用車でなく
ノアやセレナのようなミニバン型にすれば、
3~5万円ほど費用を抑えることができます。
少人数であれば火葬場に移動する際にタクシーやバスでなく、
自家用車を利用すれば費用はガソリン代だけで済みます。
通夜振る舞い・精進落としの会食
以前は「通夜の後には食事をふるまう」のが一般的でしたが、
現在は省略するご家庭も増えています。
- 少人数なら簡単な茶菓子や、近所のファミレスでもOK
- 感染症対策や高齢者への配慮から飲食を控える傾向も
- 葬儀の時間を遅くして、食事を済ませてから参列してもらう
香典返し・会葬礼状の省略や簡素化
香典返しは一人あたり1,500〜5,000円が相場で、
参列された方には会葬礼状を付けて会葬返礼品を渡します。
- 「香典を辞退」することで香典返しの準備と手間が不要に
- 香典返しを「即日返し」でなく、後日にまとめて郵送して当日の負担を減らす
- 家族だけなら会葬礼状と会葬返礼品を省略しても問題なし
まとめ
家族葬は、「できるだけ静かに、あたたかく、心を込めて見送りたい」という気持ちから選ばれる現代的な葬儀のかたちです。
形式や慣習にとらわれず、遺族と故人にとって本当に大切なものだけを残す
ことができるという点で、多くの方に支持されています。
今回の記事では、
- 家族葬の特徴と一般葬との違い
- 無理のないお別れを実現するための「費用・時間・気持ち」の見直し方
- 供花や通夜振る舞いなど、省略しても問題ない慣習
- 心を込める方法は“形式”ではなく“想い”であること
などをご紹介しました。
「こうしなければ失礼」
「昔からこうだから」
上記のようなプレッシャーにとらわれず、
自分たちらしい送り方を選ぶことが、
結果として満足度の高い葬儀につながります。

迷ったときは、
「本当にその形式が必要か?」と自分に問い直してください!
負担を減らしつつ、想いのこもったお見送りをしていただければと思います。
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