神戸市北区にある神戸市立外国人墓地に行ってきました。
こちらの墓地は見学できる日が限定されています。
普段は見学できない場所を案内してもらえる貴重な体験ができました。
国内では目にすることができない風景もありました。
近代史に関心がある方にも、訪れてほしい場所です。
今回は、神戸市立外国人墓地に行って分かったことをお伝えします。
外国人墓地とは
外国人墓地とは、
19世紀から20世紀前半の日本において居留地に在住し、そこで死亡した外国人を埋葬するための墓地。
Wikipedia 外国人墓地
現在は墓地としての役割以外に、函館市と横浜市のように観光地化されている外国人墓地もあります。
Wikipediaに大阪府豊中市にある大阪市設服部霊園にも外国人墓地があると記載されていました。
こちらの外国人墓地については
慶応3年に現在の港区内に造成されましたが、その後明治38年に現在の阿倍野区旭町に新しく造成して移転しました。しかし、同地区の発展に伴い、墓地としての環境が著しく変化したため関係各国の了解を得て、昭和35年服部霊園内に移転しました。
大阪施設霊園のホームページ>服部霊園


服部霊園に行ってきましたが、外国人墓地の区画は施錠されて入園できません。
霊園には確認していませんが、ホームページなどで調べる限り入園方法は不明です。
他の区画は除草されていますが、外国人墓地の区画は除草されていません。
参拝される方がほとんどいないと想像できます。
見学方法をご存知の方がいれば、お問い合わせフォーム、下記のコメント欄からご連絡お願いします。
神戸市立外国人墓地の場所と行き方
神戸市立外国人墓地の住所は「〒651-1102 兵庫県神戸市北区山田町下谷上中一里山4−1」です。
墓地内の駐車場は一般利用できないので、再度公園駐車場を利用してください。
公共交通機関では市バスが4月1日から11月31日の土・日・祝のみ利用できます。
三宮駅から25系統「森林植物園前」ゆきに乗り、「再度公園」で降車します。
12月~3月は運休しているので注意してください。
神戸市立外国人墓地とは
神戸市立外国人墓地は、1937年2月(昭和12年)に造成を開始して、1952年(昭和27年)に完成しました。

2005年4月1日(平成17年)には、神戸の近代都市の発展と日本の近代化を物語る再度山と併せて国の名勝に指定されました。
前身は旧生田川口東岸の小野浜外国人墓地(現在は神戸市中央区の東遊園地付近)と春日野外国人墓地(現在の神戸労災病院付近)です。
小野浜外国人墓地での最初の埋葬は、1867年12月25日(慶応3年)です。
小野浜外国人墓地が飽和したことで、1899年7月(明治32年)に春日野外国人墓地の造成が行われました。
小野浜外国人墓地は1952年(昭和27年)に、春日野外国人墓地は1961年(昭和36年)に神戸市立外国人墓地に移転・統合されました。
神戸市に居留する外国人が利用できると神戸市立外国人墓地条例で規定されてますが、日本人でも配偶者や親族などは例外として利用できます。
そのために、日本人の氏名を墓石で確認することができます。
現在61ヶ国の約2,900柱が埋葬・埋蔵されて、現在でも遺族や関係者の参拝があります。
そのために、遺族への配慮などから一般の立ち入りは制限されています。
神戸市立外国人墓地の公開

こちらの外国人墓地の公開について詳細は神戸市のホームページでご確認ください。

個人での参加では、事前にメールか往復ハガキで申し込みます。
市バスを利用する方が参加できるように、公開日は4月~11月と限定されているそうです。

期間内の第4日曜日に無料で参加できます。
案内人が同行して解説を行ってくれるので、約90分ほど時間がかかります。
高低差のある墓地内を徒歩で移動するので、足の悪い方はキツイかもしれません。
*車イスでの参加は困難だと神戸市のホームページに記載されています。
神戸市立外国人墓地の見どころ【写真あり】


案内人が指定する場所でしか撮影できないので注意が必要です。
墓石の形、大きさの多様性に驚かれるでしょう。
英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語など様々な言語を目にすることができ、神戸の近代化に多くの国が関わっていたことが実感できます。
- 正教会の十字架
- イスラム教、ユダヤ教の土葬墓地
- ゾロアスター教の墓石
- フリーメイソンのシンボルのある墓石
- 墓石を建てる前の木の十字架
上記は国内で目にすることが困難で、ぜひ見てほしい場所です。

新しく土葬された場所があり、現在も墓地として機能していることが実感できます。
撮影できる無縁墓地には、リチャード・ゴードン・スミス氏の墓石があります。


同氏は明治に来日したイギリス人で、
案内人の解説で「ゴードン・スミスのニッポン仰天日記」として日記の翻訳がある教えてもらい、関心がわいて早速読みました。
翻訳・解説は荒俣宏氏です。
明治時代の日本の様子が、外国人の視点でイラストや写真と合わせて描かれて興味深く一気に読めます。
当時の火葬の方法、葬送の様子も写真付きで記述されています。
原本の日記の行方には興味が尽きません。

小野浜外国人墓地が移転している区画では撮影できます。


当時の記念碑、門扉、柵なども移設されているそうです。

最も古い1867年に埋葬された方の墓碑も残っています。

堺港攘夷始末(大岡昇平 著)で登場するフランス海軍兵士の慰霊碑があります。
最後に
神戸市立外国人墓地は、外国人墓地としては唯一の近代遺産として登録された名勝です。
北野町ハンター坂に名を残しているE・H・ハンター氏
神戸女学院の創立者であり初代校長のE・タルカット氏
洋菓子で有名なモロゾフ氏
初代神戸港長のJ・マーシャル氏
他にも多くの方の墓碑があり、神戸の近代化には多くの外国人の貢献があったと実感できます。

神戸市立外国人墓地は、身近に異国の雰囲気を堪能できるおススメの場所です。
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