火葬待ち【大阪・兵庫】何日かかる?費用増加を防ぐ注意点とメリット・デメリット

お葬式
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大阪・兵庫にお住まいの方、またはこの地域で大切な方を亡くされたご遺族にとって、「火葬待ち」は避けて通れない課題の一つです。
ご逝去後すぐに火葬できない状況は、精神的な負担だけでなく、予期せぬ費用増加にも繋がりかねません。

今回の記事では、火葬待ちが実際に「何日かかるのか」という疑問から、その際に生じるデメリットと意外なメリット、そして何よりも大切な「費用増を防ぐための具体的な注意点」まで、現役の葬祭ディレクターが徹底解説します。
特に、大阪・兵庫という地域に特化した情報や、葬儀社選びの際のポイントについても詳しくご紹介しますので、ぜひ最後までご一読ください。

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火葬待ちとは?基本的な解説と「何日かかるか?」の目安

「火葬待ち」とは、故人が逝去されてから火葬までの日数が、火葬場の都合や混雑で通常よりも長くなる状態を指します。
明確な基準はありませんが、一般的に火葬までに3日以上かかる状況を「火葬待ち」と呼び、最大で10日程度(2週間弱)待つこともあります。

この日数が長引くほど、ご遺族には精神的・金銭的な負担が増大する可能性があります。
特に、都市部では人口が集中しているため、火葬待ちが発生しやすくなります。

大阪・兵庫で火葬待ちが発生する時期と地域の実情

大阪や兵庫の都市部では、特定の時期に火葬待ちが発生しやすくなる傾向があります。
暑い時期(8月)と寒い時期(12月~3月)は葬儀の件数が増加するため、火葬場が混雑しやすくなります。

また、火葬場の改修工事なども火葬待ちの原因となります。
例えば、2024年には宝塚市の火葬場が改修工事のために一ヶ月間ほど使用できませんでした。
その期間は川西市、西宮市、池田市など近隣の火葬場で代替したので、一部のエリアで一時的に火葬待ちが生じました。
上記のような施設全体の工事でなく、部分的な改修工事で火葬件数が減ることは意外と多くあります。
2025年7月から大阪市大正区の小林斎場で斎場の建て替え工事が始まり、火葬はできますが工事の音が気になる状況です。

「火葬難民」問題と大阪・兵庫における将来的な影響

「火葬待ち」が一時的な混雑状況を指すのに対し、火葬までに常に1週間以上かかるような深刻な状況は「火葬難民」と呼ばれ、東京などの人口過密地域で深刻な社会問題となっています。

火葬場は近隣住民からイヤがられる施設なので新設や移転が困難です。
そのため、老朽化した施設の改修工事や建て直しが必要になった場合、長期間利用できなくなるケースが多く、既存の火葬場への負担が集中します。

このような状況は決して関東だけの問題ではありません。
火葬場の老朽化による改修工事や、年間の死亡者数の増加といった背景を考えると、近いうちに大阪や兵庫でも「火葬難民」と呼べるような状況が慢性的に発生する可能性が指摘されています。

大阪府岸和田市の岸和田市立斎場の建て替え工事は、火葬場を運営しながら平行して工事しているので影響はありません。(新斎場は隣の貝塚市と共同運営)
しかし、東大阪市の長瀬斎場は建て替え工事では5年以上かかり、工事中は近隣の火葬場で代替しました。同市の今米斎場は建て替えの目途が立たず廃止になりました。

火葬待ちのデメリット|安置費用増加とご遺体安置の注意点

火葬待ちが発生すると、ご遺族には様々なデメリットが生じます。
特に金銭的な負担とご遺体の状態維持に関する懸念は、事前に把握しておくべき重要な点です。

安置期間の長期化による「追加費用」の実態

火葬待ちの大きなデメリットの1つは、ご遺体を安置する日数が長くなることで、それに伴う葬儀費用が増加する可能性がある点です。
ご遺体の安置場所は、ご自宅を選ばない場合、葬儀社の安置室が一般的となります。

多くの葬儀プランには、数日分の安置室使用料とドライアイス代が含まれていますが、火葬待ちでこの期間を超過すると、追加費用が発生します。
例えば、葬儀社の紹介サービスの大手「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」の通夜と葬儀のセットプランでは、4日分の安置室とドライアイスが付随されていますが、5日目から追加費用が発生
10万以下の格安葬儀のプランでは3日目から追加請求されます。

安置費用は、「安置室使用料」と「ドライアイス代」で構成されるのが一般的です。
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」の安置費用は1日2,2000円(税込)ですが、ドライアイスの料金は不明です。
3日目から安置費用を追加請求する葬儀社は少なくないです。

ご遺体の状態維持とご遺族の精神的負担

安置期間が長引くと、ご遺体の状態維持に対する懸念も増します。特に夏場などは、ドライアイスによる適切な管理が不可欠となります。
また、ご遺族には故人様を長く見守り続けたいという気持ちと同時に、葬儀が終わらないことへの精神的な負担も大きくなります。
この期間は、ご遺族が悲しみと向き合い、故人様との別れを受け入れるための大切な時間でもありますが、その期間が長引くことは大きなストレスとなり得るでしょう。

火葬待ちのメリット|故人と向き合う時間と葬儀社選びの機会

火葬待ちはデメリットばかりではありません。
見方を変えれば、ご遺族には故人様と深く向き合い、より良いお見送りの準備をするための貴重な時間になる可能性もあります。

葬儀の準備に余裕が生まれ、後悔のないお見送りに

参列者が多い大規模な葬儀の場合、参列者・式場・僧侶などの調整が必要なので日程に余裕を持って進められます。
しかし、近年主流となっている参列者を限定した家族葬では、逝去した日または翌日にお通夜を行い、翌日か翌々日には葬儀・告別式を行うという短期間での進行が一般的です。

このようなタイトなスケジュールでは、葬儀社からの説明や提案に対して、ご遺族は早急な判断を迫られがちです。
もし十分な検討ができないまま判断を間違えれば、後々「もっとこうすればよかった」と後悔が残るかもしれません。
火葬待ちが発生すれば意図せずとも葬儀の日が先送りになり、ご遺族は葬儀社に急かされることなく、冷静に物事を判断する時間を得ることができます。
故人様と過ごす最後の時間をじっくりと持ち、お別れの形について深く考えることができるのは、大きなメリットです。

葬儀プランの見直しと費用削減の機会

火葬待ちにより葬儀までの期間が延びることは、葬儀費用を削減する機会にもなり得ます。
性急な判断を避けることができるため、提示された見積書をじっくりと見直し、葬儀プランの内容を精査する余裕が生まれます。
不要なオプション・サービスを削り、より希望に合ったプランへ変更したりすることで、結果的に費用を抑えることが可能になります。
この余裕が、後悔のない費用面でも納得のいく葬儀を実現するための鍵となります。

悪質な葬儀社から遺族を守る「葬儀社変更」の選択肢

万が一、葬儀社の選択を誤ってしまった場合でも、火葬待ちの期間があることで、葬儀社を変更する選択肢を検討する時間が得られます。
悪質な葬儀社や質の低い担当者に当たってしまった場合、急いでいると冷静な判断ができず、言われるがままに不当な高額な費用を請求されたり、不本意なサービスを受け入れたりする可能性があります。

火葬待ちがあれば、他の葬儀社から相見積もりを取ったり、サービス内容を比較検討したりする時間があります。
これにより、ご遺族は悪徳業者に騙されるリスクを低減し、より信頼できる葬儀社を選び直すことが可能です。

【参考記事】
・悪徳葬儀社を見極める方法:悪徳葬儀社に騙されないための5つのチェックポイント
・葬儀社をキャンセルする方法:葬儀をキャンセルする方法

火葬待ちで後悔しないために!遺族が取るべき具体的な行動と対策

火葬待ちは避けて通れない現象ですが、事前に適切な知識と行動を知っておくことで、ご遺族の負担を最小限に抑え、後悔のないお見送りをすることができます。

【最重要】依頼前の「安置費用」確認ポイントと価格交渉術

火葬待ちの期間が長引くことによる費用増大を防ぐためには、依頼する葬儀社に事前に「安置費用」を詳細に確認することが最も重要です。
多くの葬儀社は、安置にかかる追加費用を積極的に公表していません。
そのため、ご遺族が自ら確認しなければ、後に高額な請求に驚かされることになりかねません。

一日あたりの安置費用は、葬儀社によって「無料」から「1日あたり10万円程度」と、驚くほど大きな差があります。
10万円以下の安価な葬儀プランで依頼したとしても、5日間の火葬待ちが発生し、安置費用が1日5万円の葬儀社であれば、それだけで25万円が追加され、請求総額が2倍から3倍になることもあり得ます。

依頼前に確認しなければ安置費用は教えてくれません。

事前に安置費用を確認を全くしないで依頼する方は、一部の葬儀社にとってカモネギです。

火葬待ちは葬儀社都合でないので、ご遺族は葬儀社の言われるがままになります。
ご遺族には安置費用は不可避な負担ですが、葬儀社には自動的に計上できる美味しい収益源です。

葬儀社のカモネギにならないために、相見積もりを行いましょう。
依頼前に「火葬の日はいつになる?それまでの安置費用を教えてほしい」と、複数の葬儀社(3社ほど)に電話で質問するだけです。
詳しい葬儀の相見積もりの方法は、こちらの記事でご確認ください。

火葬場の空き状況を「自身で確認」する方法

残念ながら一部の悪質な葬儀社の中には、下記の口コミのように火葬場に空きがあるにもかかわらず「火葬待ち」と嘘を伝えて、安置費用を上乗せしたり、高額なエンバーミングを押し売りしたりするケースも存在します。

火葬場があいておらず3日ほど葬儀が延びる事になりました。それは仕方ないと思い、見積もりしていただきました。80万の家族葬の依頼が、保管料や防臭処理などでほぼ200万となりました。あまりに高い(家族葬の費用ではない)ので少し減らせるものを減らしましたが170万と80万のプランの倍以上でした。
知り合いの方に地元の葬儀屋さんに聞いてもらうと、火葬場はあいていて、明日明後日で通夜と告別式が出来ると言うではありませんか。
〇〇おうさんでは、火葬場があいてないから何日も保管し、その費用がとても高く設定されている。一気に不信感が高くなり、急遽地元の葬儀屋さんに変更しました。それにより葬儀は80万で済みました。

みん評(https://minhyo.jp/rakuou?page=2

葬儀社から火葬待ちを強調されて費用が高額になる場合は、火葬場に直接電話して空き状況を確認することをお勧めします。
ほとんどの火葬場は、一般からの問い合わせにも空き状況を教えてくれるので、葬儀社の不当請求から身を守ることが可能です。

ドライアイス以外の保冷方法とその費用対効果

ご遺体の保冷にはドライアイスを利用しますが、再利用ができないため、安置期間が長引くほど費用がかさみます。
近年ではドライアイスの代替品として、再利用可能な保冷剤を使用したり、低温に管理できる冷蔵型の安置室を所有している葬儀社も増えています。
保冷剤や冷蔵型安置室は、ドライアイスに比べて安価に安置費用を設定できる可能性があります。

しかし、保冷剤を使用したり冷蔵型の安置室を所有しているからといって、必ずしも安置費用が安価とは限りません。葬儀社によって料金体系は様々です。
安置費用が安価な葬儀社は、残念ながらご遺族自身で積極的に探すしかありません。
複数の葬儀社から見積もりを取り、安置費用についてもしっかり比較検討することが大切です。

まとめ:大阪・兵庫で火葬待ちに直面したら

大阪・兵庫では火葬待ちが発生する時期は限られていますが、火葬場の老朽化や死亡者数の増加による火葬待ちの慢性化は予想されています。

火葬待ちは遺族の力で避けることはできませんが、適切な知識と準備があれば、その負担を軽減し、後悔のないお見送りをすることが可能です。

火葬待ちに備えるための「事前準備」の重要性

ご遺族にできることは、火葬待ちのメリットとデメリットを把握し、それに備えて葬儀社を選ぶこと、そして何よりも「事前準備」を行うことです。
家族間で火葬待ちのリスクや費用について話し合い、もしもの時に慌てないよう、基本的な情報を共有しておくことが重要です。

適切な情報収集と信頼できる葬儀社選びのポイント

PCやスマートフォンを使えば簡単に葬儀社を探すことができますが、希望に沿う一社を選ぶことは容易ではありません。葬儀社ごとの価格と対応内容の差は想像以上に大きいです。

火葬待ちに際しては、火葬までの安置費用、火葬場の空き状況を正直に伝えてくれるかなど、情報公開に積極的で信頼できる葬儀社を選ぶことが、ご遺族が「カモネギ」にならないための適切な行動と言えるでしょう。

今回の記事について、ご意見・ご指摘がございましたらお問い合わせフォーム
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同業者の方によるご指摘も大歓迎です。

火葬待ちに関するよくある質問 (FAQ)

Q1・火葬待ち中に面会やお線香はあげられる?

ご自宅で安置されている場合は問題はありませんが、葬儀社の安置室の場合は注意が必要です。
冷蔵型の安置室では他のご遺体と同じ場所になることが多く、面会時間に制限があります。
面会不可か、ご遺族の希望に沿うように調整するか、葬儀社次第なので事前に確認しておきましょう。

Q2・火葬待ち中、ご遺族はどこで過ごす?

火葬待ちの期間、ご遺族は自宅で過ごすのが一般的です。ご自宅にご遺体を安置している場合は、故人様のそばで過ごすことができます。
葬儀社の安置室を利用している場合は、自宅に戻り準備を進めたり、打ち合わせを行います。
この期間は、葬儀の準備だけでなく、親族への連絡や必要な手続きを進める時間でもあります。
ご遺族の心身の健康も大切ですので、無理せず休養を取ることも心がけてください。

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