多くの場合、分骨は火葬場で済ませるので、自分ですることはありません。
しかし、葬儀が済んだ後に事情が変わり、後日に分骨する必要が生じることがあります。
上記の状況では、追加で1個の骨壺を購入して、遺骨の一部を移し替えなければなりません。
葬儀社に分骨を依頼すると、葬儀が済んでいるので手数料などが請求されます。
また、葬儀社は葬儀を優先するので、時間の調整に日時がかかることもあります。
葬儀後に自身で分骨することは、手順さえ守れば困難ではありません。
今回は、葬儀社に依頼せずに自分で分骨する方法をお伝えします。
分骨とは
分骨とは、故人の遺骨を2個以上の骨壺に分けることです。
私が担当した葬儀では、4個の骨壺に分骨したことがあります。
火葬場で収骨する際に分骨すれば、火葬場や葬儀社の担当者が対応するので手間がかかりません。
しかし、1個の骨壺に納めた遺骨を自宅で分骨したり、お墓などに納骨した遺骨でも分骨できます。
今回は自分で分骨する方法をお伝えします。
葬儀が済んで自宅には、遺骨が1個の骨壺に納められている状況を想定しています。
そのために、小さい骨壺に取り分ける方法になります。
分骨証明書について
お墓や納骨堂などに納骨する際には、「火葬許可証」が必要です。
火葬場で収骨する際に「火葬許可証」は、火葬場か葬儀社の担当者から喪主に返却されます。
上記のことは、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年5月31日法律第48号)で定められています。
分骨する際には、「火葬許可証」と同じ役割の「分骨証明書」が必要です。
「火葬証明書」と呼ばれることもありますが、役割は同じです。
火葬場で収骨した際に分骨をすると、葬儀社の担当者が「分骨証明書」の発行手続きを行います。
お墓や納骨堂に納骨した遺骨を分骨する場合は、墓地や納骨堂の管理者が「分骨証明書」を発行します。
葬儀社に依頼せずに分骨する際には、自分自身で分骨証明書の発行手続きを行います。
自分で分骨する方法
手順通りに進めれば、葬儀社に頼まずに自身で分骨することは可能です。
分骨証明書を取得する
分骨証明書は、利用した火葬場、もしくは火葬場を運営する役所が発行します。
利用した火葬場に電話で連絡すれば、どちらで発行できるのか教えてもらえます。
火葬場は市役所と異なり、朝の9:00から17:00までしか電話が繋がりません。
友引や特定の日に休場していることもあります。
数百円程度の発行費用と身分証明書などが必要なので、併せて確認しておきましょう。
ほとんどの場合は即日に発行してくれます。
分骨する容器を準備する
小さい骨壺は、葬儀社でなくAmazonで購入すれば種類が豊富で割安です。
分骨すると決めているなら、事前に購入すれば僅かですが葬儀費用を節約できます。
骨壺 2寸 (高さ 7.3cm × 幅 6.7cm)
遺骨を分ける
骨壺から遺骨を取り出す際に、素手が抵抗があるなら割り箸を使いましょう。
火葬場で分骨する際は、火葬場や葬儀社の職員が、分骨する遺骨の箇所を確認してくれます。
- 喉仏と呼ばれる箇所*実際には第2頚骨
- 指先の遺骨*お地蔵さんの形に似ているので尊ばれる
- 遺族のリクエストする箇所
上記の箇所を探して納めてくれます。
自身で分骨する際は、上記の場所を探すことは困難です。
自分自身で分骨をする際は部位へのこだわりは諦めて、容器に納めやすい大きさの遺骨を納めてください。
墓地に納骨している遺骨は、時間が経つとカビが生えるなど、状態が悪くなっているかもしれません。
状態が悪い遺骨は、分骨する前に洗浄して乾燥と、専門の技術が必要です。
お墓から取り出す場合は、構造を理解しておかないと事故の元になるので、墓石を建立した業者に任せた方が無難です。
余った遺骨について
一心寺に納骨することを葬儀社に伝えなかったので、一般的な大きさの骨壺に遺骨を納めたとの話は、関西エリアでは意外と多いです。
一心寺のお骨佛では、骨壺の大きさに上限があります。
詳しくは一心寺と四天王寺で納骨する際の違いをご確認ください。
- 先祖代々のお墓に納骨するので一般的な大きさの骨壺に納めたが、事情が変わり納骨できなくなった。
- 新しく選んだ納骨場所には骨壺の大きさに規定があり、小さいサイズに変更しなければならない。
上記のような事例では、分骨した後の余った遺骨を納める場所を探さなければなりません。
一部の火葬場では、余った遺骨を引き取ってくれます。
利用した火葬場に連絡して、対応してもらえるか確認してください。
火葬場で対応してもらえない場合は、永代供養してもらえる霊園や納骨堂に納めましょう。
Googleなどで「永代供養」で検索して探してください。
数万円ほどの費用はかかりますが、確実に供養してもらえます。
手元供養について
手元供養で自宅に安置するから、分骨証明書は不要と思われるかもしれません。
しかし、供養の継承者が変わると、安置場所が変わるかもしれません。
手元供養でも分骨証明書は取得しておきましょう。
分骨証明書には有効期限がないので、紛失しないよう気をつけてください。
最後に
分骨する場所には、散骨・納骨堂・手元供養など多くの選択肢があります。
自分で分骨できるなら、葬儀が済んでから余裕を持って考えることができます。
手順通りに進めれば、自分自身で分骨することは困難ではありません。
分骨証明書の発行で若干の手間がかかるだけです。
数年先に納骨する場合には、分骨証明書の紛失には気をつけてください。
ご不明な点・ご意見などござましたら、お問い合わせフォームよりお願いいたします。
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