突然の訃報に直面したとき、
「エンバーミングをした方がいいの?」
「湯灌とどう違うの?」
と悩まれる方は少なくありません。
一方で
「やらなくてよかった…」
「必要なかったのでは?」
という後悔の声があるのも事実です。
私は葬祭ディレクターとして、
エンバーミングを選んで良かったケース、
不要ではないのか?と思われたケース、
どちらも多く見てきました。
今回の記事では
- エンバーミングの正しい理解
- 後悔が生まれやすい理由
- 必要な人/不要な人の基準
- 湯灌との違い
- 費用の注意点
上記の点を分かりやすく解説します。
この記事だけで、
「選んでよかった」
「やらなくても後悔しない」
こんな判断ができるようにしました。
エンバーミングとは?日本の葬儀での位置づけ
エンバーミング(Embalming)とは、
故人の体を消毒して衛生的に保ち、腐敗を遅らせ、できる限り生前の姿に近づけるための専門的な処置 です。
エンバーミングの内容や具体的な流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 関連記事:【専門家解説】エンバーミングとは?目的・費用・メリット・流れのすべて
日本では主に次の目的で行われます:
- 葬儀まで日数が空く場合の保全処置
- 遺体の状態を整え、家族が対面しやすくする
- 海外搬送や長距離移動のための処置
欧米では一般的な処置ですが、
日本での普及率は2024年時点で約5%と
限られた人だけが選ぶオプション と考えるのが自然でしょう。
湯灌(ゆかん)との違い|選び方の判断軸
葬儀の打ち合わせで多い質問が、
「湯灌とエンバーミングは何が違うの?」 というものです。
結論から言うと、
目的も内容もまったく異なります。
湯灌(ゆかん)
- 体を清める儀式的なケア
- 化粧などで外見を整える
- 宗教的・文化的要素が強い
- 体の状態を大きく変えるものではない
エンバーミング
- 専用施設での処置で血液を薬液に置き換えるなど、外科的な行程を含む。
- 消毒・衛生的処置
- 修復・外見の改善が目的
- 日数の確保
*最大で50日間
どちらを選ぶべき?
主な判断軸は一つ。
👉 “亡くなってから葬儀までの日数がどれくらい空くか”
- 7日以内で葬儀 ⇒ 湯灌で十分なことが多い
- 7日以上 ⇒ エンバーミングが有効なケースがある
ご遺体の状態や、冷蔵機能がある安置室では10日以上でもエンバーミングは不要です。
7日ほどの火葬待ちが発生する時期でも、エンバーミングは一部の方へのサービスです。
「両方必要」ではありません。
状況によって合う/合わないがはっきり分かれます。
エンバーミングで後悔が起きる理由(3つの注意点)
エンバーミングは必要な方には「依頼してよかった」と満足していただけるサービスです。
しかし、すべてのご遺体に必要というわけではありません。
そのために、一定数の“後悔の声”があります。
その理由は3つです。
①「必要なかった」と感じるケースがある
最も多い後悔はこれです。
・葬儀までの日数が短かった
・高額請求に納得できない
こうしたケースでエンバーミングをすると、
費用に対する納得感が持てず後悔につながります。
②費用が高く、説明が不十分
エンバーミングは専門家と専用施設による処置のため、費用は15~25万円前後と高額なサービス。
それにも関わらず、詳しい説明がないまま見積書に計上されることがあります。
- 湯灌との違いが不明
- 外科的な処置
ご遺体を切開する外科的な処置を伴うので「同意書」への署名が必要ですが、曖昧な説明で省略する葬儀社があるようです。
実際に下記のように依頼書の扱いを巡るトラブルが報告されています。
なお、葬儀社側は依頼書への記入を認めております。ただし「承諾を得て」とありますが、これはあくまで #エンバーミング に対しての口頭での承諾であって、私自身第三者による依頼書への代筆は一切認めておりません。依頼書への自署は必須事項です。 https://t.co/ZPC6E78eKp
— mosrite 💙💛 owner (@mosriteowner) November 13, 2025
葬儀が済んでから、葬儀社の都合で販売されたのでは?と後悔に繋がるケースが少なくありません。
③家族が冷静に判断できない状況で勧められる
急な訃報の直後は判断力が低下しています。
「このままだと傷みます」
「最後の奉仕です」
などと説明されると、
断りづらい心理が働きます。
結果として
冷静なら不要だった処置を選んでしまう
という後悔につながります。
エンバーミングが本当に不要なケース/必要なケース
私が今まで担当した経験から言えば、エンバーミングは不要か必要かはっきりと判断できます。
不要なケース
- 費用を抑えたい
- 高齢や老衰など遺体の状態が安定している
- 遺体を切開することに抵抗がある
- 化粧や髭剃りなど外見を整えるだけで納得できる
- 希望する衣装への着せ替えだけ希望
必要なケース
- 事故などで修復が必要
- 口・鼻・耳などからの吐出が多く、納棺師の処置では対応できない
- 感染症が危惧されるが触れてお別れを希望する
- 葬儀まで10日以上かかる
- 海外搬送が必要
*義務になっている国が多い
費用の相場と追加料金の仕組み|ここを確認すれば損しない
費用相場は 15万〜25万円前後 が一般的です。
葬儀社によっては、さらに追加料金が発生することもあります。
エンバーミングに対する後悔の多くは、費用と知識不足です。
拙寺檀家さんに檀家さんの関係者、等々実際にこう言った話は良く聞いておりますし、拙寺友好的葬儀社にその周辺の葬儀社からも耳にしています。真っ当な葬儀社、全ての方々が心痛めていますし、心苦しい状況であります。 https://t.co/z5ujuZgGXF pic.twitter.com/NldF2iastf
— 本多崇興_Takaoki_Honda@Renkouji-Yokohama.com (@JZ1300) December 13, 2025
上記のようにエンバーミングを販売しているにも関わらず
- ドライアイスが追加
- 専門施設で処置される間の遺体保管は不要だが全て計上
- アフターケアと意味不明な項目が追加
口コミサイトでは、エンバーミング施設への搬送費を追加する葬儀社も確認できました。
ご遺族が無知であれば、徹底的に高額請求を謀る葬儀社は少なからず存在します。
見積もりの際には、以下を必ず確認してください。
✔ 必ず聞くべきポイント
- 追加費用が必要になる条件は?
- 体の状態で費用は変わる?
- 保管料は別途必要?
- 遺体処置にかかる項目は?
費用の透明性があるかどうかが、後悔を防ぐ最大のポイント です。
エンバーミングのより詳細な費用相場や、高額請求を避けるための具体的なポイントについては、以下の記事で詳しく解説しています。
▶︎ 関連記事:【最新版】エンバーミングの費用相場と内訳|高額請求を避けるポイント
まとめ|エンバーミングは“目的に合う人だけが選ぶべきケア”
2024年時点で日本のエンバーミング実施率は約5%です。
つまり、本当に必要な人だけが選ぶ“選択制の処置”であり、全員に必要ではありません。
葬儀社の都合でエンバーミングは案内されるかもしれません。
エンバーミングは、
「絶対にやった方がいい」ものでも、
「絶対に不要」なものでもありません。
重要なのは、
“あなたの状況に合っているかどうか” です。
「エンバーミングは不要」と主張する業界関係者もいます。

複数の葬儀社に事前相談するのは手間がかかるけど、とても大切。
故人様のため、ご遺族が後悔しないために、勇気を出して話を聞きましょう。
複数の葬儀社(3社ほど)から話を聞き、メリット・デメリットを丁寧に説明し、ご遺族の不安に寄り添ってくれるかどうかを見極めることが、結果的に無駄な費用を払い、後悔するのを防ぐ最善策となります。
トラブル事例や葬儀社の見極め方については、以下の記事でも詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
▶︎ 関連記事:【口コミ分析】エンバーミングは必要か?損する理由と回避策
この記事が、故人様とご遺族にとって最適な、後悔のない選択をする一助となれば幸いです。
今回の記事について、ご不明な点・より詳細な説明が必要な方はお問い合わせフォーム、下記のコメントよりお問い合わせください。
また同業者の方、エンバーマー、納棺師の方でご指摘やご意見があれば聞かせてください。



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