DIYで葬儀をする方法(条件と準備編)ではDIYで葬儀(セルフ葬)をする条件や必要なアイテムを紹介させてもらいました。
しかしアイテムをそろえるだけでは、DIYでの葬儀は失敗するでしょう。
今回はDIYで葬儀をする際に、事前に確認すること、注意することを紹介します。
DIYで葬儀する注意点
DIYで葬儀するには、いくつかの事前に確認しておくことがあります。
逝去の連絡を受けてから火葬日当日までの手順について紹介しています。
DIYで葬儀を失敗しない方法は、事前に入念な準備をすることです。
全体の流れに目を通していただき、無理そうであれば諦めて葬儀社に依頼しましょう。
逝去の連絡を受けたら
逝去の連絡を受けたら、通常では葬儀社に寝台車を手配してもらいます。
DIYの葬儀では自分たちで連れて帰ります。
手伝ってくれる人と搬送する車の準備ができる時間を病院に伝えましょう。
病院の都合で連れて行く時間を調整されることもあります。
危篤の段階で、主治医から葬儀社を決めておくを勧められていたら、
事前に葬儀社の手を借りないことを伝えておきましょう。
看護師さんが体液が漏れないように口・鼻に詰め物をして、体を拭いてくれるエンゼルケアをしてくれます。
自分たちで連れて帰ることを看護師さんに伝えておけば、入念に詰め物をしてくれるかもしれません。
自分たちでできないことは専門家に頼みましょう。
家族が用意した衣装を着せてくれる病院もあります。
通常は病院が専用の浴衣を着せてくれます。
自宅で逝去したら
自宅で看取りされた場合は、まずは主治医に連絡しましょう。
主治医の検案が終わるまでは、ドライアイスをあてることはできません。
死亡診断書の受け取り
「死亡診断書」を主治医が発行してくれます。
死亡診断書を受け取る際の注意点や書き方は、死亡届を自分で提出する方法を参考にしてください。
死亡診断書の費用は入院費用と一緒に、後日の支払いになることが多いようです。
故人の搬送
病院から車に乗せる際には注意が必要です。
DIYで葬儀をする際の最大の難問になります。
葬儀社は専用のストレッチャーで移動しますが、葬儀社がいなければ自分たちで乗せなければなりません。
病院の出口までは、病院がストレッチャーを貸してくれます。
![病院にあるストレッチャー](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/07/ストレッチャー-1024x683.jpg)
ベッドからストレッチャーに移動する際に、故人を事前に用意したシーツで包みます。
シーツに包んだ状態で、ストレッチャーから車に乗せるにはコツがいります。
故人を頭と足の上下から持つと、体が「くの字」に曲がり、体液などが口から漏れることもあります。
故人を仰向けに移動するためには、故人の横に立って体を2人で抱きかかえます。
2人でお姫様抱っこする形になります。
![お姫様抱っこ](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/06/お姫様抱っこ-1024x768.jpg)
故人の全身は弛緩しているので頭と足が垂れます。
頭側にいる人は首を支えて、足側にいる人は足を支えます。
車のバックドア側から、頭から乗せてください。
3人目が車の後方側に乗っていて、頭から入ってきた故人を引いて乗せましょう。
故人の体重が軽ければ1人でも抱えることができるので、2人いれば車に乗せることができますが、
1人で抱えることができなければ、最低でも3人必要です。
人手がなければ、葬儀社に依頼することも検討しましょう。
自宅への安置
![自宅とバックドアを開けたワンボックスカー](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/07/車バックドア-2-1024x576.jpg)
故人を自宅に連れて帰ったら、車から部屋まで連れて行きます。
バックドアを開けて、故人には足から出てもらいます。
車に乗せたときと同じように、故人の横から抱きかかえましょう。
足から出て、玄関には頭から入ってもらいます。
一般的には故人の布団に安置しますが、DIYで葬儀するなら棺に安置しましょう。
棺に納めると、布団→棺と寝かせる人手と時間が省略できます。
また棺に安置すると、ドライアイスの保冷効果が高まります。
棺に安置する際の注意点として、棺と床の間に折り曲げた座布団を頭側と足元の2か所に敷いておきましょう。
棺と床に隙間がないと、棺を持ち上げることが困難になります。
ドライアイスは、故人のお腹に近い場所(胸元や腰元の辺り)に置いて下さい。
お腹(内臓)が最も早く傷みますが、ドライアイスをお腹の上に置くと重みで腹水や胃の残留物が口や鼻から出てくるおそれがあります。
ドライアイスを置く場所は、経験を積んだ葬儀社でも悩むことがあります。
事前に用意していた枕元セットを準備して、線香をたてて手を合わせましょう。
火葬場の予約
故人の住民票がある自治体の火葬場を使用すれば費用が安くなります。
死亡届の届出人でも安くなる自治体があるので、ホームページなどで確認しておきましょう。
業者による予約しか認めていない火葬場があれば、業者に頼るしか方法はありません。
DIYで葬儀をすると決めた段階で、以下のことを事前に確認してください。
どのように予約するのか
危篤の段階では、火葬場の予約はできません。
死亡診断書を受け取ってから、火葬場の予約をしてください。
電話の場合は、自治体の窓口、もしくは火葬場のどちらに掛けるのか?
予約できる時間は?(24時間対応か昼間のみか?)
自治体の窓口に行かなければ予約できない火葬場もあります。
前日までに火葬場に火葬許可証を届けなければならない場合もあります。
予約してからの流れも事前に確認しておきましょう。
ホームページでは事前に登録が必要とされていても、個人の利用では柔軟に対応してくれる火葬場もあります。
火葬料金の支払い方法
火葬料金を、自治体の窓口もしくは火葬場で支払うのか?
火葬場で支払う場合は、前日までか当日なのか?
その他
多くの火葬場では、「〇時」枠で予約します。
「〇時」は火葬場に到着する時間、もしくは火葬炉の点火時間などです。
火葬場によって異なるために、火葬場に到着する時間は確認しておきましょう。
仮に「12時」枠に予約した場合の入場時間の例ですが
- 12:00~12:30
- 11:30~12:00
- 11:00~11:30
どれが正解なのかは、火葬場によって異なります。
指定の時間を過ぎると、火葬がキャンセルされて再度の予約が必要となります。
到着時間は確認しておきましょう。
火葬の日までにすること
自宅での火葬式なので、火葬日までは自宅で過ごします。
当日までに以下のことを済ませておきます。
死亡届を提出する
病院からもらった「死亡診断書」の左側は「死亡届」です。
死亡届を記入して、自治体に提出しましょう。
この記事を参考にしてください。死亡届を自分で提出する方法
火葬場の下見をする
自宅から火葬場までの時間を計っておきます。
また火葬場に着いてから、どのように動くのか確認しておきましょう。
一般的な火葬場の開場時間は9:00~17:00です。
下見しておけば、火葬場までの到着時間が把握でき、どのように動くのか慌てなくて済みます。
火葬場の職員には、葬儀社に依頼していないことを説明しておきましょう。
- 棺に納めることができる品(副葬品)
- 故人を乗せた車を停める場所と、ついてきた家族の車を停める場所
- 故人を車から火葬場の台車に乗せる方法(火葬場のスタッフに任せるか、手伝いが必要か)
- お骨拾いまでにかかる時間
火葬場で待てるのか?
待てない場合はどこで待つのか?
上記のことは火葬場によって異なります。
下見の際に確認しておきましょう。
その他
安置から火葬の日までの日数に応じてドライアイスを追加する必要があります。
飾ったり、納めたりする生花の準備も必要です。
遺影写真を用意していた場合は、棺の頭側に飾ります。
僧侶の手配
![お経をあげる僧侶](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/07/坊さん.jpg)
自宅の火葬式なので、僧侶を自宅に招くことはしません。
理由は前記事で述べた通りです。
戒名が必要なら、僧侶は火葬場に来てもらいましょう。
皆さんが火葬場に到着する時間を伝えておきます。
いつ白木位牌を渡すのか打合せも必要です。
大抵の場合は、電話で打ち合わせになります。
火葬当日の流れ
お参りする人がそろったら、線香をあげて手を合わせり、棺のフタを外して副葬品を納めて最後のお別れをします。
![棺を囲む遺族](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/07/お別れ-1024x683.jpg)
火葬場で指示された以外の品を納めてはいけません。
火葬場の到着時間に遅れないように、棺を車に乗せます。
棺の頭側と足側に分かれて持ち、頭側から玄関を出ます。
車に乗せるときは、病院から連れて帰ったときと同じように頭側から乗せます。
自宅で安置したときと同じように、棺と車の床の間に曲げた座布団などを置きます。
葬儀社の手を借りずに、自分たちで行うと予想以上に時間がかかります。
余裕を持って行動しましょう。
遺影写真も一緒に持って行きます。
![火葬場の看板](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/07/火葬場-768x1024.jpg)
火葬場に着いたら、火葬場の方の指示に従って行動してください。
僧侶に来てもらっている場合は、火葬炉に入る前にお経をあげてもらいます。
お経のあいだに、焼香をしてお別れをします。
僧侶は火葬が始まると帰るので、お布施を渡して見送りましょう。
お骨拾いの時間の15分前には、火葬場の指定された場所に集まってください。
火葬場では時間厳守です。
火葬場の職員さんが案内にしたがってお骨拾いをすすめます。
お骨拾いが終わって火葬場を出る際に「火葬許可証」を返却されます。
火葬許可証は遺骨をお墓などに納骨する際に必要となる書類です。
有効期限はありませんので、納骨するまで大切に保管しましょう。
遺骨を自宅に連れて帰って、安置すれば葬儀の完了です。
遺骨を置く場所に決まりはありませんが、床に置くことはやめましょう。
まとめ
DIYでの葬儀は、アイテムを準備するだけではなく、事前に確認することは多くあります。
経験のない人がDIYで成功するには、事前に入念な準備をしておくことです。
事前に確認すれば、DIYで葬儀をする難易度が何となく分かってくると思います。
![小豆小僧](https://azukikozou.com/wp-content/uploads/2023/09/1049373-150x150.jpg)
困難で全てをやり遂げる自信がなければ、一部を葬儀社に任せることも検討しましょう。
DIYで葬儀をする方法(費用編)では、DIYで葬儀をした場合と、葬儀社に任せた金額や手間などの比較をします。
今回の記事について、「おかしいだろう」「意味が分からない」などのご意見がございましたら、お問い合わせフォームからお願いします。
修正・加筆してより良い記事に仕上げて参ります。
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