DIYで葬儀をする方法(条件と準備編)

お葬式

DIYとはDo It Yourselfの略で「自分でやってみよう」が日本語です。
DIYで葬儀をするとは、葬儀社に依頼せずに遺族自らが葬儀を行うことです。
「セルフ葬」と同じ意味です。
今回はDIYで葬儀をする方法を紹介します。

DIYで葬儀はできるのか?

DIYで葬儀することは可能ですが、事前に入念な準備が必要です
そして相当の手間が掛かります。
DIYで業者に頼らなければ、その分の費用を抑えることは可能です。
DIYのデメリットも存在します。
どのようなDIYでも始めたときは、段取りが分からずに時間がかかったり、経験を積むまで失敗することは一般的です。
DIYで成功するには、事前に入念な準備をして、経験を積むことです。

DIYで葬儀を成功させるにはどうすればいいでしょうか?
遺族は葬儀の経験を積むことはできません。
葬儀に参列することと、運営して経験を積むことは全く異なります。
遺族は葬儀を運営する経験を積むことができないので、事前に入念な準備をしなければ、DIYでの葬儀はおそらく失敗します。

私の会社では、新人は火葬式から対応しますが、数ヶ月ほど先輩社員に同行して補助して、経験を積んでからになります。
未経験の社会人の場合でも、早くても3~6ヶ月ほど葬儀の経験が必要です。

遺族は、未経験のまま葬儀を運営しなければなりません。
さらに家族を失った心理的な動揺の中で対応します。
そのために、ハードルはさらに高くなります。
DIYで葬儀をするには、このハードルの高さを認識してください。
葬儀の運営が未経験な遺族でも、入念な準備でできる葬儀とは何でしょうか?

小豆小僧
小豆小僧

DIYでできる葬儀は、家族だけが参列する自宅での火葬式になります。

火葬式とは、僧侶を呼ばない葬儀のことです。

僧侶を招けば、対応する人や着替えたりする控室の用意も必要です。
僧侶を招かなければ、対応する人や控室の用意が不要です。

また普通の葬儀では、参列者の案内や対応、式場の手配や設営・撤収と、遺族のみでは対応が不可能です。
集会所や公営の式場は、ほとんどの場合で直接連れて行くことはできません。
そのために、病院→安置施設→式場と故人の移動が必要です。
24時間連れて行ける「安置施設」を、遺族が確保することは不可能です。
また病院→安置施設→式場と、移動の手間と人手と時間がかかります。

自宅での家族だけの火葬式なら、故人を送り出すことのみに集中できます。
今回は自宅での火葬式という前提で、DIYで葬儀をする条件と準備するアイテムを案内します。

DIYで葬儀をする条件

アイテムを揃えるだけでは、DIYで葬儀はできません。
以下の条件が整っていれば、アイテムをそろえていきましょう。

お寺の了承をもらう

付き合いのあるお寺があれば相談が必要です。
自宅での火葬式なので、通夜や葬儀にお寺さん来てもらいません。

  • 葬儀社に頼らずに葬儀をする
  • 着替える部屋がない
  • 対応する人手が足りない

上記の理由を伝えましょう。
そして火葬場でお経をあげてほしいとお願いをしてください。

それでも自宅でお参りをすると主張されたら、無作法になる旨を伝えてできるだけの対応をしましょう。
葬儀が済んでからの事後報告はしないでください
ご先祖のお墓がお寺の敷地内があれば、お寺さんに葬儀をしてもらうことがお墓に入る条件となります。
お寺さんを呼ばずに葬儀をしたら、お墓に入れないかもしれません。

付き合いのあるお寺はないけど、戒名だけほしい場合は、インターネットで僧侶派遣サービスを利用しましょう。
火葬場で荼毘の前にお経をあげてもらい、戒名を授けてもらえます。

タフな精神力と肉体

DIYの葬儀では、あなたが主導して葬儀を運営しなければなりません。
大切な方を喪った状況で進めるには、タフな精神力が必要です。
故人を移動するには、想像以上に足腰に負担がかかります。
葬儀は肉体労働です。

家族の同意をもらう

葬儀をDIYで行うことは一般的ではありません。
自宅を片づけたり、準備をするには人手が必要です。
葬儀社に依頼しないことを説明して、同意をもらい協力してもらいましょう。

故人を移動するための人手

病院などで逝去された故人を連れて帰るためには、最低でも3人必要です。
故人の体重が軽ければ、2人でも何とか連れて帰ることはできます。
逆に重ければ、3人以上が必要です。
病院では逝去されたら、早く連れて帰るように指示されます。
連絡を受けてから3時間ほどで病院に集まれるようにしてください。
人手がなければ、故人の移動は葬儀社に依頼することを検討しましょう。

安置するための場所

DIYでの葬儀は自宅を前提にしています。
故人を自宅に連れて帰ることが無理なら、DIYでの葬儀はあきらめましょう。
棺を頭と足の両側から、2人で持って移動できるかが目安です。
棺は横50cm×長さ180cm程度です。
段ボールなどの身近なもので代用して、実際に玄関から2人で部屋まで移動できるか試しておきましょう。
自宅が広ければ、四隅を4人で抱えたほうが安心です。
葬儀を参列した方が座る場所も必要です。
もう1つ注意する点として、車を駐車した場所から玄関までの移動です。
故人を移動する際は、できるだけ仰向けに近い状態にしなければなりません。
一軒家であれば、駐車場から玄関までの移動は問題ありません。
マンションなどの集合住宅では、エレベーターか階段での移動になります。
故人が仰向けのままエレベーターに乗れるのか?
奥行きがないエレベーターでも、奥扉が開く機種があります。
通常はカギがかかっているので、誰がカギを持っているのか確認しておきましょう。
しかし奥扉が開くタイプは、ストレッチャーでの移動を前提としています。
ストレッチャーがなければ、連れて帰る人の負担は大きくなります。
階段だけなら諦めたほうが良いかもしれません。
葬儀ができない賃貸住宅もあります。
規則違反にならないよう賃貸契約書を確認しておきましょう。

必要なアイテム

葬儀に必要な物品は、以下の通りになります。
逝去の時点から必要なアイテムを順番に挙げておきます。

  • 故人を搬送する車輛(病院~自宅、自宅~火葬場)
  • 故人を搬送する際に使用するシーツ
  • ドライアイス
  • 枕飾り
  • 棺桶
  • 白木位牌
  • 遺影写真
  • 骨壺

火葬式で必要なアイテムは以上になります。
具体的な手順や注意点は次回で案内しますので、今回はアイテムの手配する方法を紹介します。

故人を搬送する車輛(病院~自宅、自宅~火葬場)

私が地方の営業所で勤務していた際に、
遺族が自分の車で故人を連れて帰る手伝いをした経験を何度かしています。
葬儀社の寝台車でなくても、故人の移動は可能です。
しかし自家用車でないと難しいです。

レンタカーでは、遺体の搬送が規約違反になることが多いです。
規則違反にならなくても、故人の出血や腹水で車内を汚せば、クリーニングの費用が請求されます。

また多くの病院では、葬儀社に依頼せずに、遺族が自分の車で連れて帰ることに難色を示すと思います。
葬儀社に依頼しなければ、病院の方(看護師さん)が手伝わなければならないからです。

故人を車輛で移動するには、緑ナンバーの車輛が必要と言われるかもしれません。
葬儀社の車輛が緑ナンバーの理由は、車輛に故人を乗せて移動することを商売にしているからです。
運送会社の車輛が、緑ナンバーである理由と同じです。
遺族が自分の車で故人を連れて帰ることに問題はありません。
故人を連れて帰るには、トヨタのノアやニッサンのセレナのようなワンボックス車が適しています。

バックドアを開けたワンボックスカー

故人を自動車の後座席に座らせて、横で遺族が支えて連れて帰ってきた様子を見かけたことがありますが、首にタオルを巻いて固定して、ドア側に寄りかかせて、大変そうでした。
病院では乗せるのが大変だったと、実際に話されていました。

病院から自宅に安置するだけなら、軽自動車でも何とか対応できるかもしれません。
しかしワンボックス車でなければ、自宅→火葬場までの移動が困難になります。
火葬場には棺に納めて連れて行かなければなりません。

もし適した車輛がなければ、葬儀社に依頼することも検討しましょう
病院から搬送してくれる業者を紹介してもらえることもありますが、
DIYで葬儀をすると決めて、適した車輛がないなら事前に業者を探しておきましょう。

多くの葬儀社では寝台車は持っているので、搬送のみでも対応はしてくれます。
搬送のみの依頼を渋る会社はあると思いますが、逆に快諾してくれる会社もあります。
依頼を渋る会社には見切りをつけて、快諾してくれる会社を探しましょう。
事前に依頼する会社は確保して、金額を確認しておきましょう。

葬儀社の探し方は以前の記事を参考にしてください。
費用は2万円前後×2回(病院→自宅と自宅→火葬場)が目安となります。

故人を搬送する際に使用するシーツ

病院からは、シーツで故人を包まなければなりません。
死後硬直までは故人の全身の筋肉は弛緩します。
そのために運びやすくしたり、人目を隠すためです。
全身を包めれば、家庭用のシーツでも構いませんが、専用の品が販売されています。

ドライアイス

ドライアイス

保管には専用の設備が必要なので、事前に用意することは不可能です。
amazonでも購入できますが、届くまで日数がかかります。
専門業者に配達してもらいましょう。
「お住いの地域」+「ドライアイス」で近所の販売店が探せます。
ドライアイスは2日で10kg必要です。

24時間対応できない場合や、配達するまでに時間がかかる場合は代用品で対応します。
コンビニなどで、袋入りのロックアイスを用意します。
氷なので解けますが、密封されているので漏れることはありません。
ただし結露ができるので、結露で故人の着衣が濡れないように、ロックアイスの袋をタオルなどで包みます。
氷は数時間で解けるので、交換用に予備が必要となります。
事前に、お住いの地域でドライアイスが届くまでの時間を把握しておきましょう。

棺桶

棺桶

amazonや楽天で購入できます。
材料で金額が変動するので、好きな形の品を購入しておきましょう。
逝去の連絡を受けてから、注文して火葬までに自宅に配達できたら問題ないですが、
不安なら、事前に購入して、自宅に保管しておきましょう。

組立式なら場所をとりませんが、完成品を購入する場合はどこに保管するのか決めておきましょう。
組立品、完成品のどちらでも立てて保管できます。
腐ることはありませんが、保管する場所や使用するまでの期間によってはカビが生えることもあります。

枕飾り

amazonや楽天で購入できます。
枕飾りとは、故人の枕元で線香をあげてお参りする線香立てなどの仏具、好物などのお供え物を置く机のセットです。
自宅にお仏壇があれば、お仏壇の仏具と机を利用できるので用意は不要です。
また僧侶を呼ばなかったり、線香をあげない場合でも不要です。

白木位牌

amazonや楽天で購入できます。
僧侶が戒名を記すのに必要です。
火葬式なので自宅には僧侶は来てもらいませんが、火葬場に来てもらい、お経をあげて戒名をもらうことはできます。
僧侶を呼ばない無宗教で葬儀を行うなら不要です。

遺影写真

事前に元になる故人の写真を探しておきます。
遺影写真は、葬儀の日には棺の近くに飾って火葬場に持って行きます。
葬儀が済んでから自宅に飾ります。
そして手を合わせて、お参りするたびに目にします。

故人の雰囲気が伝わる写真を選びましょう。
プリントしていなくても、スマホやデジカメのデータでも構いません。
ポイントはピントが合っていることと、データなら画像サイズです。
300万画素ぐらいあればありません。

式場で飾るなら四つ切サイズ(254mm×305mm)がメインですが、
自宅での火葬式では、どこに飾るかで大きさを決めましょう。
雑貨屋などで好きな大きさとデザインの額を選んで問題ありません。

葬儀社に依頼する場合は、打ち合わせの際に渡しても間に合います。
DIYで葬儀をする場合は、写真を決めた段階で作成しておきましょう。

遺影写真の作成は、カメラのキタムラか小さなお葬式に依頼することがオススメです。
小さなお葬式では大きさは決められています。
好きなサイズで作成したい場合は、カメラのキタムラです。

骨壺

amazonや楽天で購入できます。
骨壺で検索して、表示された好みのデザインの品を選びましょう。

火葬場で遺骨を納める際に使います。
大きさを選ぶ基準は、「納める場所に合わせる」ことです。

納めるお墓が決まっているなら、ご先祖にサイズを合わせておきましょう。
ご先祖の骨壺のサイズが不明なら、親戚なら知っているかもしれません。
親戚でも不明なら、墓地のある地域の石材店に電話したら教えてもらえるかもしれません。
どこに納めるか決まっていない場合は、最小限の大きさにしておきましょう。

まとめ

通常の葬儀では、葬儀社がすべてのアイテムを手配します。
そのために自分で用意する必要はありません。

しかしDIYで葬儀をする際には、自分自身でアイテムを揃えなければなりません。
葬儀する場所の選択もできません。
到着までに時間がかかるアイテムは、事前に用意しておきましょう。
DIYで葬儀をする方法(注意点・実践編)では、DIYで葬儀をするために注意する点を紹介させていただきます。

今回の記事について、疑問・ご意見などございましたらお問い合わせフォームからお願いします。
より良い記事にして参ります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました