「大切な方の最期に、どの葬儀社を選べば良いのか?」
人生で多くの経験がない身近な方の葬儀では、大半の方には大きな迷いや不安を伴います。
ネットやテレビのCMで目にすることが多い「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」は、手軽さと費用面で注目を集めています。
その一方で口コミではサービスの実態や費用などには賛否両論があります。
「結局、どちらを選べば良いのか?」
「どんなことに注意をすれば後悔しなのか?」
上記のように頭を悩ませる方も少なくありません。
今回の記事では、「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」について、料金プラン、サービス内容、利用者からの口コミ評判を徹底的に比較分析します。
両社の共通点や異なる点を明確にし、葬祭ディレクターの視点から「後悔しない賢い選び方」を具体的に解説。
あなたがどんな葬儀を望むのか
どちらのサービスが希望を叶えるのに最適なのか
この記事を読めばきっと確かな答えが見つかるでしょう。
※この記事は口コミサイト「みん評」などに掲載された内容(2025年10月時点)を参考に執筆しています。
口コミはあくまで個人の感想であり、すべての方に当てはまるものではありません。
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」の特徴・サービス形態を解説
「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」といったサービスの名前を聞くと、「普通に葬儀を執り行ってくれる葬儀社と同じ」とイメージされる方もいるかもしれません。
しかし、これらのサービスは紹介(ブローカー)型で、葬儀場を所有したり、専属の葬儀スタッフを抱えているわけではありません。
小さなお葬式は直営ホールを展開(別会社が運営)していますが、エリアが限定されているので「紹介」が中心です。
ブローカー型葬儀社とは、葬儀社を紹介する窓口となる会社で、コールセンターのスタッフによる依頼者の獲得がメインになります。
遺族である利用者は「家族葬〇万円〜」といった定額化されたプランを見て依頼しますが、実際の葬儀は提携先の葬儀社が担当します。
提携先の葬儀社は紹介料を支払い依頼を受けます。
これにより、依頼者であるご遺族自身が葬儀社を探す手間なく、葬儀サービスを申し込めるメリットを得られますが、デメリットも存在します。
ブローカー型葬儀社のメリット・デメリット
小さなお葬式とよりそうお葬式は、それぞれ独自の提携式場と料金体系を持っていますが、ブローカーの特性ゆえの共通するメリットとデメリットがあります。
両サービスを比較検討する上で、共通する特性を把握することは大切です。
メリット
- 手軽さとスピード: ご遺族はWebサイトや電話一本で、条件に合うプランを提示してもらえます。急なご逝去の場合でも、迅速に手配が進むのは大きな利点です。
複数の葬儀社を自分で探し、比較する手間が省けます。 - 費用面の明確さ(表面上): 事前にパッケージ化されたプラン料金が提示されるため、一見すると分かりやすく、費用相場を把握しやすいと感じるでしょう。
また、地元の葬儀社に直接依頼するよりも安価な基本プランが提供されることがあります。 - 全国対応(表面上): 広範な提携ネットワークを持つため、主要都市圏だけでなく、全国どの地域にいてもサービスを利用できる可能性が高いです。
デメリット
- 提携先の都合が優先: 提携先の葬儀社は、会館とスタッフが余っているから依頼を受けます。
葬儀の依頼が多い時期、提携先の葬儀社が少ないエリアでは、葬儀社を手配できないことがあります。 - 提携葬儀社の品質にばらつき: 実際に葬儀を運営するのは提携先の葬儀社です。
そのため、担当者の経験や知識・サービスの質には、提携先により差が生じる可能性があります。
これがブローカー型サービスの最大の課題の一つです。 - 料金の不透明性(実態として): 基本プランは安価に見えても、条件・オプション・葬儀規模など(安置日数の延長、湯灌、火葬料金など)により追加費用が発生しやすく、最終的な費用が当初のプラン料金を大幅に超えることがあります。
見積書の内訳が分かりにくいと感じることも少なくないようです。 - 画一的なサービス: 全国の提携葬儀社が対応できるよう、プランがパッケージ化されています。そのため地域の事情や細かな要望への対応が難しく、自由度が低いと感じることもあります。
- 直接交渉のしづらさ: ご遺族と葬儀社の間にブローカーが入るため、料金やサービス内容に関する直接的な交渉がしにくい。
紹介業者を挟むので対応に時間がかかるケースもあります。
【料金比較】小さなお葬式とよりそうお葬式の基本プラン・追加費用を徹底検証
両社の基本プラン料金と内訳を徹底比較
以下の表は「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」のプランを、公式サイト掲載の基本料金(2025年10月時点)を元に比較したものです。
どちらも「全国一律価格」を打ち出していますが、依頼前に会員登録など事前の手続きが必要です。
💬 ポイント:「一律料金」は基本セットなので、火葬料金やお布施、花のグレードなどで費用は増えます。
| 小さなお葬式 | よりそうお葬式 | |
| 最安プラン | 99,000円(税込) | 83,600円(税込) |
| 会館火葬式 | 176,000円(税込) | 148,500円(税込) |
| 自宅火葬式 | 176,000円(税込) | 163,900円(税込) |
| 一日葬(告別式のみ) | 385,000円(税込) | 297,000円(税込) |
| 家族葬(通夜・告別式あり) | 495,000円(税込) | 405,900円(税込) |
| 一般葬 | 660,000円(税込) | 643,500円(税込) |
最安プランの内容については、10万円以下の格安葬儀の注意点とトラブルを防ぐ方法をご参照ください。
全てのプランにおいて「よりそうお葬式」のプランが安価に設定されているので、葬儀費用を1円でも安く抑えたい方には魅力的に思えるかもしれません。
しかし、私の経験では打ち合わせの段階で追加料金が生じることは多くあるので、一概には「よりそうお葬式」の方が安いとは断定できません。
ブローカー型サービスを追加費用なしで利用するには、条件とデメリットを十分に理解して、葬儀社(担当者)と交渉する能力が必要でしょう。
見積もり段階で注意すべき追加費用の項目
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」どちらもプランに付属しているサービス・アイテムに大きな差はなく、主に必要な追加費用は以下の通りです。
- 火葬料金:無料~10万前後と利用する火葬場により異なります。
- ご遺体の処置:白装束が付属しているプランでも、着せ替えを依頼すれば追加費用が必要です。
ご遺体の開いている口を閉じるなど専門処置を伴う際にも費用は生じます。 - 安置費用:プランで規定する日数を超えると、追加費用が生じます。
火葬待ちの時期には、事前に安置費用の確認が必要でしょう。 - 依頼主が希望する場合:プランのアイテム・サービスは必要最低限なので、一般的な内容にグレードアップ、諸々のオプションを追加すれば相応の費用がかかります。
他にも、既定の距離と回数を越えた寝台車料金、ご遺体の状態が悪い場合の備品料金など、追加費用なしで対応してもらうには、細かく状況を伝える必要があるでしょう。
口コミを徹底比較|共通点と背景
小さなお葬式の口コミ
(略)
みん評>格安葬儀サービス一覧>小さなお葬式の口コミ・評判
紹介された葬儀会社が親切なところでその後は負担もなくスムーズに葬儀に集中することが出来、明朗会計な点を含め依頼してよかったと思います。
葬儀後に必要な手続きの案内など事細かにフォローしてもらい本当に助かりました。
自分の場合は変に高い料金プランへの案内もなく考えていた以上に安価ですみましたが、これは紹介された葬儀屋次第といったところでしょうか
(以下略)
(略)
みん評>格安葬儀サービス一覧>小さなお葬式の口コミ・評判
プランの金額の説明も無く後々追加料金がかかる説明も無く 火葬式の場合ですと大体16万ぐらいだと言われ納得して病院に遺体の搬送を依頼
その後葬儀の日程を決める際死亡して4日後の斎場で火葬と言われ 本契約をする際8日間まで延ばされ8日間遺体を保存する料金で30万の追加料金を言われなすすべ無くそのまま契約の流れになりました
(以下略)
(略)
みん評>格安葬儀サービス一覧>小さなお葬式の口コミ・評判
今後小さな葬式は、費用を抑えられるが、今後を利用することはない。葬儀後、小さなお葬式から遺品整理や相続の営業電話やメールが煩わしい。葬儀発注の際、遺品整理や相続代行サービスを利用するか?選択出来る様改善すべき。葬儀打合せの際、加盟店独自のオプション発注明細書を喪主に渡すべき。全ての行事の内容における文字を一文字一句、スケジュール、メール依頼、供花内容を確認すること。家族葬だが最悪な葬儀内容だった。
よりそうお葬式の口コミ
(略)
みん評>格安葬儀サービス一覧>よりそうお葬式(旧:シンプルなお葬式)の口コミ・評判
家族葬で50マン前後
相場と比べてもかなり安くなったと喜んでおります
明朗会計を謳っておりますし変なところではないのですがCMやりだしたら業務提携の人間に変な人間もでてくるかもしれませんので高額請求されるのかな、今後はって口コミをみて思いました
業務提携してくれる業者がていっぱいで断られることもあるみたいなので私は運がよかったなと思いました
時間も何も考えず、メールやセールス電話が、とにかくかかってくる。
みん評>格安葬儀サービス一覧>よりそうお葬式(旧:シンプルなお葬式)の口コミ・評判
対応が丁寧でも、金!金!金!
相続から仏具まで、本当にしつこい。
安いからというだけ、二度と関わりたくない。
たまたま葬儀会社が良かっただけで、よりそう社は、ただの葬儀仲介だから、酷い葬儀会社だったら、さらに最悪だろう。
父が急逝してネットで調べて出てきたこちらに問い合わせをしましたが、ホームページに書かれていることと全く違っていたので、信用できないと感じました。生前にきちんと色々調べておいた方が良いと勉強になりました。
みん評>格安葬儀サービス一覧>よりそうお葬式(旧:シンプルなお葬式)の口コミ・評判
口コミの背景と共通点
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」はビジネスモデルが同じなので、口コミの内容が似ることは当然でしょう。
口コミの良し悪しは、最終的に「どの提携葬儀社に当たるか」で大きく変わります。
つまり、提携先の対応差が葬儀サービスの満足度に直結している点に注意が必要です。
ブローカー型サービスの問題の1つは、提携先の葬儀社が紹介料を回収するために、半ば強制のようなオプション販売を行うことです。
【完全版】小さなお葬式の費用は?プランと追加料金の裏側を葬祭ディレクターが徹底解説でオプション販売について詳しく解説しています。
また、葬儀後にどちらを利用しても、香典返しや相続手続きのような営業電話が多く、ご遺族は不要な対応に手間を取られるようです。
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」の違い
両社の違いは提携先の葬儀社が異なることです。
どちらを利用するかを決める前に、近隣に利用できる式場があるのか確認しましょう。
両社と提携している葬儀社であれば、「よりそうお葬式」を選択すれば少し安価になります。
小さなお葬式は「提携式場数 全国4,000式場以上」、よりそうお葬式は「全国5,000以上の提携式場」と掲載しています。
一見すると「ほとんどの葬儀社が登録している」と思いそうになりますが、この「提携式場数」という数字は葬儀社の数ではありません。
1つの葬儀社が複数の式場(葬儀ホール)を運営している場合、それぞれが「1式場」としてカウントされています。
たとえば、1社で10ヵ所の会館を持っていれば、それだけで「10式場」として登録されます。
そのため、「提携式場数」は実際の葬儀社数よりも大きく膨らんで見えます。
小さなお葬式の公式サイトでは「提携葬儀社:740社」「提携式場:4,000式場」※と明記されています。
つまり、4,000式場以上あっても、実際に提携している葬儀社は約740社程度に過ぎません。
全国の葬儀社は約5,000〜6,000社あるとされているため、「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」などに登録している葬儀社は全体の2〜3割ほどと見るのが現実的です。
「全国対応」や「4,000式場」といった表現が目立ちますが、その内訳をよく見ると実際の提携葬儀社数は思ったほど多くないのです。
※出典:小さなお葬式「提携葬儀社募集ページ」(2025年4月時点)
https://www.osohshiki.jp/partner/
提携葬儀社:740社/提携式場:4,000式場 と記載。
また、全国の葬儀社数は経済産業省「特定サービス産業実態調査」および
業界データ(葬祭業推定5,000〜6,000社)をもとに算出。
「よりそうお葬式」は公表していないので、「小さなお葬式」より提携葬儀社は少ないでしょう。
後悔しない!小さなお葬式・よりそうお葬式の「賢い選び方」
どちらも、その手軽さと費用面から魅力的な選択肢に見えますが、ブローカー型サービスである特性を理解した上で「賢く」利用しなければ、思わぬトラブルや後悔に繋がりかねません。
ここでは、両社で後悔しないための具体的な選び方と、事前に知っておくべきポイントを解説します。
ご逝去は突然訪れることが多く、その状況で冷静に葬儀社を選び、適切な判断を下すのは非常に困難です。だからこそ、お元気なうちに事前相談をする。
適切なアイテムとサービスを選ぶために相見積もりを取ることが、後悔しないための重要な第一歩となります。
事前相談の注意点とメリット
「小さなお葬式」「よりそうお葬式」どちらも事前相談を勧めていますが、実際に葬儀の運営を行うのは提携先の葬儀社です。
提携先の葬儀社と直に事前相談をすれば、自身の目と耳で葬儀社の対応も確認でき、以下のメリットもあります。
- 冷静な判断ができる: 故人様がご健在なうちに相談しておけば、精神的に落ち着いた状態で、ご自身の希望や予算、葬儀の形についてじっくりと検討できます。
口コミでは多くの方が、冷静な判断ができずに葬儀社の言うがまま従い高額請求で後悔していました。 - 情報収集と知識習得: 葬儀に関する基本的な知識や、葬儀サービスの特徴、注意点などを事前に知ることで、急な事態でも慌てずに対応できるようになります。
一部の葬儀社は、ご遺族が無知であれば徹底的に高額請求を謀ります。
詳しくは【現役葬祭ディレクターが警告】悪徳葬儀社に騙されないための5つのチェックポイントをご確認ください。 - 家族間での合意形成: 家族間で葬儀の方針について事前に話し合い、合意を形成しておくことで、いざという時の混乱や意見の対立を防げます。
相見積もりの注意点とメリット
相見積もりは提携先の葬儀社と行いましょう。「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」のホームページから、近隣の葬儀社を簡単に探せます。
*相見積もりの具体的な方法は葬儀の相見積もりで抑える3つのポイントをご確認ください。
- 料金の比較検討: 両サービスは定額プランを提示していますが、オプションの費用は異なります。
また、提携葬儀社により提示額が変動するケースもあります。
相見積もりで比較することで、適正価格を把握してご自身の予算に合ったプランが見つけやすくなります。 - サービス内容の比較: 金額だけでなく、担当者の対応の丁寧さ、説明の分かりやすさなども比較検討しましょう。
- 信頼できる葬儀社の見極め: 提携葬儀社の質にばらつきがあることは事実です。
複数の葬儀社と接触することで、より信頼できる葬儀社や担当者を見極める判断材料が増えます。
口コミによると、提携している葬儀社が少ないエリアでは、依頼を受けてくれないことがあります。いざという時に依頼を受けてくれるのか確認が必要でしょう。
葬祭ディレクターの一言:「安い」だけで決めず、『説明と対応に納得できるか』を最優先にしてください
結論:オススメの使い方
上記のように、事前相談で複数の葬儀社から見積書をもらい、費用と対応に納得した葬儀社に直接依頼すれば、ブローカー型サービスを利用する必要はないでしょう。
ブローカー型サービスを通した依頼では、必ずしも事前に話をした葬儀社が担当するとは限りません。
テレビ・ネットなどのCMでよく見かけるとは、他の葬儀社よりも多額の広告宣伝費を掛けているということです。
どちらも多額の広告宣伝費をかけて集客して、紹介料を稼ぐビジネスモデルです。
依頼者が支払う葬儀費用で、多額の広告宣伝費は回収されていることを覚えておきましょう。
テレビ・ネットなどのCMで低価格だと宣伝していても、運が悪ければ高額請求で後悔するかもしれません。
コスパと内容を重視するなら、ブローカー型サービスを利用せずに自身で葬儀社を探しましょう。
「小さなお葬式」「よりそうお葬式」をオススメできる方
「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」はスマホなどで検索すれば、多くの場合スポンサーとして最初に表示されます。
そのために簡単に連絡できるので、手間を掛けずに葬儀社を紹介してもらえます。
運が良ければ、あなたに寄り添う提案をしてくれる葬儀社が対応するかもしれません。
「小さなお葬式」や「よりそうお葬式」は以下のような方にオススメできます。
- 事前準備を全くしていない
- 葬儀の事前準備に抵抗がある
上記のような人に向きますが、内容や担当者を重視する人は提携葬儀社などに直接依頼することが安心です。
最期に
「小さなお葬式」と「よりそうお葬式」はサービス開始から10年以上経過しているにも関わらず、いまだに葬儀社だと勘違いしている方が少なくありません。
ブローカー型葬儀社の問題については【専門家解説】小さなお葬式はブローカー?仲介業者との違いと見極め方を解説で詳しく説明しています。
小さなお葬式の口コミについては、【専門家解説】小さなお葬式の最悪な口コミを徹底分析!後悔しない賢い使い方で解説しています。
紹介サービスは便利ですが提携葬儀社で満足度が変わります。
事前相談と相見積もりで顔が見える担当者を選ぶことが後悔しない近道です。
🔍ポイントまとめ:
- 提携式場数=葬儀社数ではない
- 紹介サービスでは担当葬儀社を選べないことがある
- 担当者の対応が満足度を左右する
- 直接相談・相見積もりで納得してから契約する
今回の記事について、ご不明な点・ご意見などござましたらお問い合わせフォーム、下記のコメント欄よりお願いいたします。



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