「家族葬のらくおう」の広告を見て「費用が安い」と期待したのに、「ぼったくり」「高額請求された」など、みん評などの口コミサイトで目にして不安を感じていませんか?
鎌倉新書の調査(2024年)によると、葬儀費用の全国平均は118.5万円です。
しかし、口コミでは250万円といった、この平均額を大きく上回る費用を請求されたという声も聞かれます。
このような高額請求が生まれる理由は?
この記事では、現役葬祭ディレクターである私が、口コミや求人情報、業界のサイトなどから、「家族葬のらくおう(セレモニーハウス)」の費用がなぜ高くなりがちなのかを徹底的に調べました。
この記事を読めば、高額請求の裏にある仕組みを理解し、後悔しないための第一歩を踏み出せるはずです。
※この記事は口コミサイト「みん評」などに掲載された内容(2025年6月時点)を参考に執筆しています。
口コミはあくまで個人の感想であり、すべての方に当てはまるものではありません。
家族葬のらくおう(セレモニーハウス)とは
【家族葬のらくおう】と【セレモニーハウス】は、ライフアンドデザイン・グループ西日本株式会社が所有する葬儀会館の名称です。
京都・滋賀では【家族葬のらくおう】
京都・滋賀以外のエリアでは【セレモニーハウス】
エリアにより会館の名称を使い分けて展開しています。
関西ではタレントの森川侑美さんを起用したテレビCMを流していました。
女性の顔が大きくなる葬儀社のCMとして記憶にある方も少なくないでしょう。
2025年7月に「家族葬のらくおう」と「セレモニーハウス」は、
「小さなお葬式ホール」に屋号変更したのでCMは流れていません。
関西を中心に159の葬儀会館があり、
テレビCM
ネット広告
看板広告にも力を入れています。
大阪や京都などで駅や道路沿いに看板を見かけることができます。
【家族葬のらくおう】7.6万円(税込8.36万円)からの葬儀。ムダを省いた低価格の家族葬・火葬。
【公式】家族葬のらくおう のネット広告より一部を引用
(略)
低価格の葬儀プラン
(以下省略)
大阪・兵庫・京都・滋賀などのエリアでは、
スマホやパソコンで「家族葬」「火葬」など葬儀関係の用語で検索すると、
上記の文言を含む広告がスポンサーとして最初に表示されます。

低価格を強調している広告なので、
ご遺族が安価だと期待して依頼するのは当然です。
口コミから見る「高すぎる」の真相|多くの人が後悔する理由
高額請求で苦情を書き込まれる葬儀社は他にもありますが、らくおう(セレモニーハウス)の「高すぎる」に関連する口コミ件数は他社よりも多く感じます。
以下に挙げる口コミはほんの一部です。
(略)
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
九年前、母親の時は病院で亡くなり、その紹介で20人位でお通夜もあり100万弱でした。
去年父親が急死し、警察から運んでもらい、その後営業マンが打ち合わせに来て、一日葬10人以内で火葬費用、お布施戒名費用、食事代も自費で250万円でした。まだ上げようとしていましたがなんとか収まりました。
(以下省略)
皆さんと同様に過大広告で、家族葬6人で参列者もほぼ無い状態の式、ネット広告では数十万の分にはオプションでこれが必要、あれが必要と結局セット価格を超えセットの方が安いとセットで250万オーバー。
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
父親の時は一般葬で130万位。参列者の方も100人オーバー
あの広告はちょっと酷すぎ。(以下省略)
「なぜこのようなことが起こるのか?」と疑問に思うのは当然です。
その答えは、サービスの裏側にある仕組みに隠されています。
【専門家分析】なぜ「家族葬のらくおう(セレモニーハウス)」は高額請求になるのか?その4つの理由
理由1:リピーターを前提としないビジネスモデル
葬儀サービスの利用頻度が低く、葬儀社を1年間に複数回利用するご家族は極まれです。
大半の方が葬儀社を利用する回数は、10年間に1回、数十年間に1回です。
そのため、一部の葬儀社は一度の依頼で大きな利益を確保しようとします。
多額の広告費をかけてテレビCMやweb広告で集客する「家族葬のらくおう」も、その傾向が強いと考えられます。
しかし、多くの葬儀社では数十年に1回しか依頼がなくても、遺族に寄り添った対応で費用を含めた不満を極力なくそうと努めていることは覚えていてください。
理由2:営業担当者の収入を上げるための仕組み
下記は求人サイトにある、らくおう(セレモニーハウス)を運営するライフアンドデザイン・グループ西日本(株)の営業の求人内容です。
営業とは葬儀費用の打ち合わせをする担当者のことです。

多くの営業スタッフが、
求人サイトに掲載しているライフアンドデザイン・グループ西日本株式会社のページから抜粋
初年度から驚くほどの高収入を達成。
経験ゼロからスタートしても、
実力次第で経営幹部クラスの年収
(1000万円~2000万円)も
当社では珍しくありません。
上記の提示されている年収の通り、営業担当者は高収入を目的としています。
高い売り上げを確保しなければ、自身が望む高収入を手にすることはできません。
「高すぎる」と葬儀費用の苦情が多い理由は、ご遺族の希望ではなく、営業担当者が自身の収入を上げる提案をするからではないでしょうか?
他にも以下の特徴があります。
※葬儀当日の進行や運営業務は
求人サイトに掲載しているライフアンドデザイン・グループ西日本株式会社のページから抜粋
専門スタッフが担当しますので、
携わることはありません。
このように、お客様一人一人に合わせた
提案型営業を行っていただきます。
このように採用された営業担当者には葬儀の進行・運営の経験がありません。
ご遺族がアドバイスを求めても、このような営業担当者には経験がないので
葬儀費用のことしか説明をできないでしょう。
また、営業担当者が対応するのは葬儀費用の打合せだけです。
通夜・葬儀に携わらないので、ご遺族に会うことは二度とありません。
そのために、ご遺族の苦情と不満を気にせずに費用を釣り上げることに注力できます。

らくおうの「提案型営業」とは、安価なプランで依頼したご遺族を
高額なプランに切り替えるように提案することかもしれません。
また、以下の興味深い口コミも見かけました。
本来とは違う高額な葬儀になる様に営業マンに勝手に進められる。したがって当日話を聞いていないホールスタッフを責めるはめに。
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
聞くところによると自社の営業マンでは無い為、好き放題やっていると。
それを売上の為に放置している経営陣も頭おかしいのではと思う。
請求書の内訳の謎の手数料が別途乗っかっていたり、色々と不思議な会社。
(以下省略)
上記のように、らくおう(セレモニーハウス)には会社員ではない営業担当者が在籍しているようです。
このような営業担当者は、売上に応じて報酬が支払われる完全歩合制の個人事業主です。
完全歩合制はフルコミッション制とも呼ばれ、不動産仲介業や保険業などでも採用されています。

個人事業主は売上金額の歩合が報酬になるので、
費用を釣り上げる打ち合わせをするでしょう。
理由3:多額の広告宣伝費を回収する必要がある
らくおうを運営するライフアンドデザイン・グループ西日本(株)の代表取締役であり、
親会社のライフアンドデザイン・グループ(株)の取締役副社長・伊藤健氏のインタビューを見つけました。
2022年と少し古い記事ですが、みん評での高額請求に関する口コミが増え始めた時期と一致します。
一部だけ載せておきます。
詳しい内容については、リンク先から確認できます。
伊藤:広告宣伝費を今期から増やし、売上高の13%にしたことです。
葬儀社の広告宣伝費の平均は3~5%と言われていますから、2.6~4.3倍ですね。しかも、88億円の13%ということは、約11.5億円ですから、葬儀社としてはケタ違いに多いですね。
月刊終活WEB https://butsuji.net/sogi/11372 より一部抜粋

葬儀社の広告宣伝費は最終的に葬儀費用に上乗せされ、ご遺族が負担することになります。
この莫大な広告宣伝費を回収するために、低価格のプランで集客し、追加費用で利益を確保しようとするビジネスモデルが生まれるのは、ある意味当然と言えるでしょう。
「低価格」という広告を信じて依頼した利用者が、最終的に高額な請求に直面し「こんなはずではなかった」と後悔する理由はここもあるのです。
理由4:高額なエンバーミングが費用を吊り上げる
エンバーミングについてはエンバーミングと湯灌で後悔しない方法でご確認ください。
以下は、みん評からの引用です。
(略)
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
とにかく遺体の保全になにがしかの処置をさせようと、
火葬場の予約が取れるまで6日もあるので、エンバーミング処置をした方が良いと。
後でその件に再度触れますが、エンバーミングは必要がありません。
葬儀社側の増額させる手法です。
(以下省略)
(略)
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
納棺といいながら
エンバーミング(22万)を追加。
エンバーミングの詳しい説明もなし。
エンバーミングに納棺も含まれますと
謎の割引。
エンバーミングをしているにもかかわらず、
ドライアイスも追加。
(以下省略)
(略)
みん評(https://minhyo.jp/rakuou)
火葬の日程もほぼ選べず、最短で3日後、
3日後の場合はエンバーミングが必要と言われます(必須と言われます)
エンバーミング費用で22万円追加。
(以下省略)
ご遺族が納得すればエンバーミングは金額に見合う満足度の高いサービスです。
しかし、上記のようにエンバーミングへの苦情が多い理由は、ご遺族が営業担当者の説明に納得せず、葬儀が済んだ後に不要だったと分かったからでしょう。
ご遺体に不要だと思われるエンバーミングを、営業担当者がゴリ押しで販売する理由は、
自社で2ヵ所のエンバーミング施設を運営しているからではないでしょうか?
自社で施設を所有してエンバーマーを雇用しているので、最大限に活用しなければなりません。

エンバーミングは22万円と高額です。
営業担当者の収入にも反映されるでしょう。
IFSA(一般社団法人 日本遺体衛生保全協会)のホームページでは、全国にあるエンバーミングセンターを確認できます。
最後に|「高すぎる」で後悔しないために、今すぐすべきこと
この記事で、「らくおう」の費用がなぜ高額になりがちなのか、その裏にある仕組みをご理解いただけたかと思います。
費用で後悔しないためには、専門的な知識を持ち、ご自身の目で葬儀社を選ぶことが大切です。
それぞれの関連記事をご覧ください。
きっとあなたの力になるはずです。
今回の記事について、ご不明な点・ご意見などござましたらお問い合わせフォーム、
下記のコメント欄よりお願いいたします。

ライフアンドデザイン・グループ西日本株式会社の関係者の方で、
記事について誤りなどご指摘がございましたら、
修正致しますのでご連絡ください。
また、家族葬のらくおう(セレモニーハウス)を実際に利用した方がいらっしゃれば、
感想など教えていただければ幸いです。
※今回の記事は口コミサイト「みん評」に掲載された内容(2025年6月時点)を参考に執筆しています。
口コミはあくまで個人の感想であり、すべての方に当てはまるものではありません。
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